K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
レジャーで水上バイクを楽しむ方は、10月でシーズンオフというひとも多いのではないでしょうか?
空気が澄んでいるから景色がくっきり見えたり、ゲレンデが空いていたり、魚が美味しかったりと冬ならではの魅力もあるのですが、なかには「冬のあいだは乗らないからほったらかし」というひともいるでしょう。
それならば、本格的な寒波が到来する前に少しでも手をかけてあげるのが、来シーズンのスタートでつまずかないためのコツです。
販売店による格納点検が最良の選択ではありますが、個人でも簡単にできることとして、冷却水経路に残った水分は可能な限り排出しておきましょう。
気温がマイナスになるような寒冷地の場合、水道管が凍結するのと同様に水上バイクのエンジン内部や補器内部に残った水分も凍結する可能性があります。
そして凍った水は膨張しますから、冷却水経路が破損することも。いざシーズン明けに乗ろうと思っても、破損箇所から冷却水が漏れてしまい状況によっては故障に至るケースも考えられます。
またウォーターボックスに水分が残っていると、気温の上昇と低下により結露が発生し、排気管内部から水蒸気として逆流。
シリンダ内に流入してバルブ周りやスパークプラグが濡れた状態になり、そのまま放置しているとサビが発生することも。
シリンダ内壁やピストンリングまでサビたり腐食すると、故障や焼付きといった事態に陥ることもありますので注意が必要です。
このような事態を未然に防ぐためには、日常整備やオフシーズン前の格納点検がとても重要になります。
具体的な方法としては、冷却水を通さない状態でエンジンを始動し、空吹かしして残存する水をできる限り排出しましょう。
とはいえすべての水を排出することは不可能ですし、冷却水が回っていない状態なので長時間・高回転の空ぶかしはシャフトシールが熱を帯びて損傷する危険もあります。
実施する際は、間隔をあけながら複数回にわけるなど、慎重におこなってください(適切な方法は取扱説明書や販売店の指示に従ってください)。
そして水抜きが終わったら、プラグホールなどからシリンダ内に潤滑剤を吹き付けておくとバルブ周りやシリンダ、ピストンリングの保護が期待できます。
来シーズンもスタートからトラブルなく安全に楽しむために、日常および越冬前の「ひと手間」をお忘れなく!