K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
いよいよ真冬といった感じで、すっかり寒くなりましたね。気温も水温も低く、風も冷たいですが、降水量が少なく海水の透明度も上がってくるので、水上バイクツーリングにはある意味で気持ちのいい季節となりました。
ところでみなさん、突然ですが、水上バイクに乗っているときに「出血」をしたことはありませんか?
海中の石やガラスの破片を踏んだり、ぶつけて擦りむいたり、釣り針が指に刺さったり、軽度の出血なら経験があるのではないでしょうか。
少量であればすぐに止まることが大半ですから、それほど気にしないひとも多いでしょう。しかし目に見える出血が少量であったとしても、それが深刻な事態へと繋がることもあります。
大人のカラダには約4~5L(体重のおよそ8%)の血液が流れていて、そのうち1Lを失うと命に関わるといわれています。カラダが小さなお子さんは、当然それ以下でも危険な状態となります。
そのためケガなどで出血した場合は、すみやかに血を止めることが重要。出血量が多いときは、救急隊が到着してからの止血では遅いこともあります。
骨折などを伴う全身の広範囲におよぶケガの場合は、たとえ一箇所の出血が少量であっても、複数の臓器や組織などの内出血を合わせると多量の血液を失っている可能性もあるので、注意が必要です。
また成人が500ml程度の血液を急速に失うと、いわゆる「ショック」状態になります。
何らかの原因で血圧が下がり、血液の巡りが急速に悪化することで酸素や老廃物の運搬が滞り、それによって引き起こされるさまざまな全身症状のことを医学的にはショックと呼びます。
多量の血液が急激に失われたときや、心筋梗塞などで心臓から送り出される血液の量が急激に減少したときにも、この症状が起こります。
ショックを起こした場合は、ただちに医師の診察を受けなければ命に関わります。
外傷が少なく、目に見える出血をしていない場合でも、本人の意識がハッキリしなかったり、普段どおりの呼吸をしていないときは、迷わず救急車を呼んでください。
衝突をはじめ、水上バイクの事故は死傷に至るケースが多いのも特徴です。万が一に備えて、緊急時の連絡手段や搬送方法、搬送先などを調べておくと安心でしょう。
小型船舶の船長は、人命の救助を最優先におこなう必要がありますからね。
そして同乗者と自分自身の体調管理も怠らないこと。
これも大切な遵守事項ですから、かならず覚えておきましょう。