K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
みなさんは水上バイクに乗るとき、“もしも”に備えたアイテムを常備していますか?
我々のような救助に携わる者は、あらゆる事態を想定して多くの資機材を水上バイクに搭載しています。
海上は陸上よりも、不測の事態が起こりやすいですからね。出港時は穏やかであっても、突如急変して事故やケガなどのトラブルに発展する可能性があります。
もちろん気象海象を事前に確認し、予測したうえで計画を立てることが重要ですが、広い海の上で万が一の悪条件に見舞われた場合、船長の判断と責任において自己完結を迫られる場面もあるでしょう。
そのような有事にもできる限り対応するため、我々は各種資機材を「エマージェンシーボックス」として常備しています。
ボックスの中身は下記のとおりで、個別に袋に入れてから防水ボックスに収納しています。
エマージェンシーボックス内一覧
- 携帯電話(予備)|1台
- 衛星携帯電話|1台
- 国際VHF無線機|1台
- モバイルバッテリー|1台
- ハンディGPS|2台(1台予備)
- ライト|2個
- ケミカルライト|2本
- 笛|1個
- シグナルミラー|1個
- 水温計|1個
- サバイバルシート(保温用)|1枚
- 救急包帯|1個
- 三角巾|1枚
- フェイスシールド(人工呼吸用)|2個
- SpO2センサー
- 医療用ハサミ|1本
- SAMスプリント(副子)|1個
- CAT(止血帯)|2個
- アミノ酸補給粉末|5個
- エポキシパテ(船体補修用)|1本
- ゴリラテープ(船体補修用)|1巻
- バッテリーコード|1本
- ロングノーズプライヤー|1本
みなさんがすべてを揃えるのは大変でしょうから、救急用品としてガーゼと伸縮包帯が一体になった「救急包帯」ぐらいは携帯するとよいでしょう。
また心肺蘇生の呼吸吹き込み時の感染症予防として「フェイスシールド」も役に立ちます。
救急隊を待つあいだに救命処置をおこなった場合、救命の可能性がおよそ2倍も向上するといわれています。
特に海上の場合は、陸上よりも救急隊の到着に時間を要する可能性が高いため、救助要請後のみなさんの適切な処置が重要というわけです。
船長の知識として知っておくべき心肺蘇生法や応急手当については、各地の消防署や日本赤十字社が講習を開催しています。
命を守るアイテムと併せて、救命救急の知識も持っておけば鬼に金棒。いざというときに備えて、今のうちから準備しておきましょう。