【動画】桜マーク? JCIマーク? 水上バイク用ライフベストの疑問を解消!

そのライフベスト、水上バイク用ですか?

水上バイク乗船時にライフベストを着用することは、クルマに乗る際のシートベルトと同じ「義務」であり誰もが知っていることでしょう。

水上バイクユーザーなら自分のライフベストを所持しているはずですが、ではみなさん、そのライフベストは「水上バイク用」ですか?

適切なライフベストを着用しないと罰則の対象になるわけですが、そもそも「何が適切」かわかりますか?

「桜マーク」とか「JCIマーク」とか「US コーストガード認定」とか「JCI 予備検査合格実績型」というキーワードを見たり聞いたりしたことはあっても、それがいったいどのような意味を持つのか、意外と知らないひとが多いようです。

というわけで「水上バイク用のライフベスト」とはいったい何なのか、JCI(日本小型船舶検査機構)の監修のもと、解説していきましょう。

「あれ、自分のは平気かな……」と心配になったそこのあなたは、ご自身のライフベストをお手元に用意してから読み進めてみてください。

撮影に協力してくれた神奈川県平塚市のガレージワンは、JETPILOTをはじめとしたウェア類を豊富に取り揃える販売店。
ガレージワンのような販売店で購入できる水上バイク用のライフベストはもちろん乗船時に着用可能ですが、購入したまま着用すると違法になる可能性も。その理由も解説していきます!

動画でも解説!

水上バイク用ライフベストについて動画でも詳細に解説しています!

前後編の前編は「ライフベストのタイプ」と「桜マーク」について。

ライフベストの「タイプ」ってナニ?

水上バイクの法定備品であり、乗船時に着用が義務づけられているライフベストには「タイプ」があります。

AからFが「小型船舶用救命胴衣」、Gは「小型船舶用浮力補助具」となりますが、それぞれの違いは以下のとおり。

ライフベストのタイプ

TYPE Aは発見されやすい色(色の制限)や笛と反射材の有無、最低浮力7.5kg以上といった条件をすべて満たしたライフベスト。

様々な要件が省略可能になったことで、着心地がよくデザイン性にもすぐれたライフベストが作れるようになり、乗船時の着用率も向上したといわれています。水上バイクで未着用のひとも見かけなくなりました。

ちなみに水上バイク乗船時はAからGまでどのタイプでも着用可能ですが、「膨脹式」のライフベストは注意が必要です。

法的には問題なく着用できますが、水上バイクは水を浴びることも多いため、自動膨脹式などは特にオススメできません。

また落水して意識を失ってしまった場合、膨脹しない(させられない)状態ではライフベストとしての役割を果たせません。

水上バイクで膨脹式を着用しているひとはほとんど見かけませんから、つまり「向いていない」ということでしょう。

体の保護や防寒にもなりますから、水上バイクに乗る際は「固型式」のライフベストを着用するのが好ましいですね。

水上バイク用として販売されているライフベストはすべて「固型式」です。

「釣り用」「ウェイク用」はNG

釣り用やウェイクスポーツ用のライフベストの多くは「小型船舶用救命胴衣」や「小型船舶用浮力補助具」に該当しないため、水上バイクの法定備品としては認められず着用もできません。

着用して乗船していると罰則の対象になることはもちろんですが、ライフベストは万が一の際に身を守ってくれる重要なアイテムです。

水上バイク乗船時の安全性が確認されたものをかならず着用しましょう。

「桜マーク」ってナニ?

小型船舶用救命胴衣は、浮力や浮遊姿勢、強度、着用の容易さといった項目において、国が定める基準をクリアしているか製造段階でJCIが検査しています。

つまり性能や安全性が確認されたライフベストであり、それを証明するのが「桜マーク」です(上写真)。

このマークが刻印されたライフベストなら水上バイク乗船時でも問題なく着用できるわけですが、現在水上バイク用としてウェアメーカーから販売されているライフベストには、桜マークが刻印されていないものもあります。

水上バイク用として販売されているのに、着用したら違法になる?

もちろんそんなことはありませんが、きちんと手順を踏む必要があります。

「JCIマーク」ってナニ?

水上バイク用としてウェアメーカーから販売されるライフベストは、USCG(米国沿岸警備隊)が定めた型で作られ性能が認められたものであり(USCG認定)、UL認証の表示があります。

UL認証の表示例:①ULのタイプ ②使用者のサイズ ③型式名 ④USCG認証番号 ⑤製造メーカー ⑥ULマーク ⑦JCIマーク

そしてJCIではUL認証を受けたライフベストに対して、すでに確認された試験項目を参考に追加の試験(下表)を実施しています。

たとえばUL認証の表示があり、過去に「同一型式の検査実績」があれば船舶検査時は外観検査のみとなり、合格すればJCIマークが刻印されます。

このJCIマーク品は桜マーク品と同様に、基準適合性が確認されたため、水上バイク乗船時にも着用できるというわけです。

水上バイク用ライフベストの試験項目(抜粋)

UL認証がないライフベストをどうしても着用したい場合は、個人で持ち込んで試験を受けることも可能。ただし変形や破損の可能性が高い過酷な試験なので、JCIいわく「あまり現実的ではない」とのことです。

ちなみに「同一型式の検査実績」は、多くの場合ウェアメーカーが販売前に検査をパスしているため、市販品の大部分は「検査実績あり」となります。

メーカーのWebやカタログに記載されている「JCI予備検査合格実績型」などの表記は、つまり「検査実績あり」ということになるため、船舶検査時に外観検査をパスすればJCIマークが刻印されます。

UNLIMITEDカタログより抜粋。

「桜マーク」or「JCIマーク」が必須

少々ややこしいかもしれませんが、要するに「桜マークなし」だけど「UL認証あり」のライフベストを購入した場合は、船舶検査時にJCIマークを刻印してもらうことで法定備品として認められる、ということです。

桜マークかJCIマークのいずれかが無ければ、水上バイク乗船時には着用できませんのでご注意ください。

新しいライフベストを購入した際も、その都度検査が必要になります(臨時検査/有料)。覚えておきましょう。

子ども用のライフベストも法定備品として認められるので、お子さんを乗せる可能性があるなら検査を受けておきましょう。
子どもは0.5人換算なので、定員3名の水上バイクなら大人2人+子ども2人分のライフベストが検査可能です。

JCI(日本小型船舶検査機構)

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