K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
2022年は史上稀にみる規模の水難事故が北海道の知床で発生しましたが、その他にも海や川、様々な水辺で多くの方々が命を落とされました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
我々K38 JAPANの普段の活動のなかでも、救助活動から捜索になり、結果的にご遺体の引き上げをお手伝いすることがあります。
2022年8月の最後の日曜日にも、小樽市の蘭島海水浴場で期間終了後に海水浴に来られた1名がお亡くなりになる水難事故が発生しました。
そのような現場には何度立ち会っても胸が苦しくなると同時に、「水面に浮いて呼吸さえ確保してくれていれば……」といつも考えてしまいます。
このコラムを読んでいただいているみなさんは、水上バイクなどの小型船舶に乗られる方が多くいらっしゃると思います。
そのため乗船時のライフベストの着用は当たり前かもしれませんが、船舶に乗らないときでも、水辺でレジャーを楽しむ際はその用途に合わせたライフベストの着用が望まれます。
特に水上バイクのゲレンデになるような水域は、海水浴場よりも多くのリスクが潜んでいると考えられます。
そうした場所では水難事故の可能性も高くなるため、ライフベストの着用が必須になると肝に銘じておきましょう。
小さなお子さんが水辺で遊ぶ際も同様で、かならずサイズが合った子ども用のライフベストを着用させてあげてください。
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K38 JAPANを運営している(一社)北海道ウォーターセーフティ協会では、2022年より「日本ライフジャケットインストラクター養成制度」を発足して様々な啓蒙活動に取り組んでいます。
近年は水辺や水上のアクティビティが多様化したこともあり、色々な水面で、色々な楽しみ方をされていますが、それぞれの現場でライフベストや浮力補助具が100%正しい方法で使われているとは言いがたい状況です。
使用用途に合わせたライフベストの選択や正しい着用方法、性能や素材に関する知識など、学校教育や水辺のアクティビティの現場で正しい知識を啓蒙できるインストラクターを養成して、より安全に楽しんでもらえる環境を作って行けるように、2023年は「日本ライフジャケットインストラクター養成制度」をより周知していければと思います。
そして水上バイクユーザーのみなさんは来春までオフシーズンの方が多いかもしれませんが、ご自身が所有されているライフベストが使用用途に適したもので、それを正しく着用できているかいま一度確認して、2023シーズンも安全に楽しんでください。