生駒 淳 Jun Ikoma
国内だけにとどまらず、世界中のレースに積極的に参戦する日本有数のトップライダー。2011年よりJJSFに参戦し、国内では2015年と2017年にはPRO RUNABOUTでシリーズチャンピオンに。海外では2012年にKINGS CUPで2クラス制覇、2018年にタイのJET SKI PRO TOURでシリーズチャンピオン、2019年にフィリピンのNATIONAL JET SKI RACEでシリーズチャンピオン、2019年のIJSBA WORLD FINALSで世界2位と、輝かしい成績を残す。
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タイで開催される「JET SKI WORLD CUP 2020-2021(ジェットスキーワールドカップ)」の参戦に向けて10日間の隔離生活を終えた生駒 淳。
いよいよレースウィークに突入しますが、様々トラブルが彼を待ち受けていました。
2021年4月13日(火)【パタヤへ】|10日間の隔離生活が終了
今日は待ちに待ったチェックアウトの日です。10日間お世話になった部屋で朝食と昼食をいただいてから、12時にチェックアウトしました。
最後までPCR検査の結果については何も言われなかったのですが、チェックアウトできるということはパスしたのでしょう(笑)。
ロビーには迎えのハイエースが来ていたのですが、隔離生活を終えたのでドライバーと自分たちを仕切るアクリル板はありませんでした。自由の身を実感(笑)。
ここからオフィシャルホテルがあるジョムティエンビーチまでは、車で5時間ほどかかります。コロナ禍で外出規制中ですから、渋滞はまったく無さそうですがなかなかの距離です。
道中でコンビニに寄ったのですが、自分で商品を見て、選んで買えることがこんなに嬉しいことなんだとあらためて実感。自由って素晴らしい(笑)。
案の定渋滞はありませんでしたが、結局オフィシャルホテルには17時ごろに到着。すぐにロビーで大石先生と合流して、両替と現地で使う原付バイクをレンタルしに連れて行っていただきました。
大石先生という方はタイで日本語学校の先生をしていて、毎年TJSBAとチームジャパンのあいだに入って通訳をしてくださっています。レース中はずっとチームジャパンの為に御尽力いただいていて、この方無しにはスムーズなレース活動ができないと言っても過言ではありません。
そしてパタヤで隔離生活を送っていたチームジャパンのメンバーとも、日本を出国して以来の再会。みんな変わりなく元気で、何より全員揃っていることにホッとひと安心。19時からはパタヤの居酒屋で久しぶりの日本食をいただきました。
お店は貸切状態で、自分たち以外のお客さんは誰もいません。パタヤのウォーキングストリートも、お店がほとんど閉まっていて真っ暗だとか。歩行者天国もなくなり、車でも通れるようになったので見て来た方が良いと大石先生が教えてくれたので行ってみたのですが、本当に真っ暗でした。
タイ有数の歓楽街がこんなことになるなんて、誰が予想できたでしょう? 人出がなく、海外からの観光客も来なくなれば、観光産業は大打撃を受けるという現実を目の当たりにしました。
2021年4月20日(火)【コンテナ着】|いよいよレースモードに
前日の19日(月)にレースの受付を済ませて、今日はコンテナが到着する予定です。10日ほど前に「19日着の予定だけど、もしかしたら間に合わないかも」なんてことを言われていましたが、なんとか1日遅れの今日9時に届くことになっていました。
朝になってみると案の定というか、「13時に変更」というメールが来ていたのでみんなで待機。港からここまで30分だから、ピックアップできれば案外すぐに来ると自分は思っていたので、みんなにはあまり遠くに行かないで待っていてほしいと伝えていました。
結局、12時ちょっと前にはコンテナが到着してひと安心。すぐにマシンを出して準備をはじめます。
今回、ベルファクトリーの青木さん(青木運送の社長)がご好意でフォークリフトを貸してくれたので、少ない人数でも簡単にマシンをコンテナから出せました。もしこの人数でフォークリフトがなかったら、マシンを出すのは不可能だったかもしれません。青木さん、本当にありがとうございました。
◇ ◇ ◇
マシンを出したあとは、テントの設営です。例年ならオフィシャルホテルの駐車場はいっぱいで場所取りも大変なのですが、今回、自分たち以外の海外勢はベルギーのクインテン・ボッシュとフランスのポレット兄弟だけです。
おかげで駐車場を広々と使わせてもらいました。こんなご時世だから仕方のないことですが、やっぱり少し寂しいですね。それに今回は自分たちだけなので、駐車場のセキュリティがいないそうです。
さすがに夜が物騒なので、自分たちでガードマンを雇うことに。19時から翌朝7時まで、1週間で3000バーツ(約1万円)でした。
2021年4月21日(水)【テスト1日目】|顎を13針縫いました
オフィシャルホテルの近くに、タイのレースチーム「フラミンゴ」が所有する池があるのですが、そこで朝イチからテストさせてもらうことに。
タイにはこういう池がけっこうあって、波ひとつない淡水なのでテストには最高の環境です。ただし公共の場所ではないので、誰でも利用できるわけではありません。もちろん自分たちも事前に許可はとっています。
今回はマリンメカニック製のレースマシン「ガーコ」を殿井さんからお借りしての参戦なので、マリンメカニックの今崎さんにもテストに同行していただき、細かいセッティングもできました。
◇ ◇ ◇
そして午後からは会場に向かい、レースコースを実際に走って感触を確かめます。なかなか調子は良さそうでしたが、走りだしてまもなくスピン!! 顎を強打しました。
めちゃくちゃ痛いですけど、もう少しコースを走っておきたかったのでそのまま我慢。顎から出血しているような気もしますが、砂盃さんもコースインしたのが見えたので、一緒に走って自分のペースがどのぐらいか確認します。
しばらく我慢して走っていましたが、やっぱりあまりにも痛い。いったんチームテントに戻って様子を見てもらうと、やっぱり血が出ていました。
ヘルメットをはずして傷の具合を確認しようと思ったら、右手に違和感。どうやら顎の部分がパックリ割れているようです。これでは危険で走れないため、この日のテストは終了です。
自分では見えないのでみんなに聞いてみると、病院で縫ってもらったほうが早く治ると言われたのでひとまず救護室に行って消毒してもらうことに。そこで病院の場所を聞くと、「救急車で行ってくれ」と乗せられてしまい、なんだか大ごとになってしまいました(笑)。
到着した病院はけっこうキレイで、これなら安心できそう。「通訳が必要ですか?」と聞かれたのでお願いすると、日本人の小林さんという方が来てくれて通訳をしてくれました。縫っている最中も付きっきりで対応してくれて、ありがたいかぎりです。
意外と傷口が広かったようで13針も縫いましたが、これでちょっとやそっとでは傷口も開かないでしょう。ちなみに自分が縫われていた横で、何の因果かフラミンゴの若いライダーも顎を縫っていて、彼は16針縫ったそうです。お母さんが「うちの息子はあなたより3針も多いわ」と自慢げに言ってきました(笑)。
そんなところで競わなくても、と思いつつ、そのお母さんが自分も一緒にレース会場まで車で送ってくれたので、とても助かりました。
◇ ◇ ◇
会場に戻ってすぐ、壊れたヘルメットの代わりを探しに近くのBRPショップへ。自分は以前にタイで購入したこだわりのカーボンヘルメットを使っていたのですが、残念ながら同じものは見当たりません。軽くて良かったんだけどなあ、アレ。
仕方ないので、諦めて重いヘルメットで我慢するこに。
夜ご飯はインドカレーを食べに行きましたが、口がうまく開けられないのでまともに食べられませんでした(泣)。
2021年4月22日(木)【テスト2日目】|燃料消費量をチェック
昨日は思わぬトラブルでまともに走れなかったので、今日ははじめての15周テストです。
燃料消費量を把握したかったのでスロットル全開で15周走ってみて、燃料がどのぐらい残るか確認。思った以上に残量があったので、これなら開けっぱなしで15周走ってもガス欠にはならなそうです。
大きなトラブルもなく、マシンも問題無さそうなのでテストはこれで終了。救護室に行って、顎のガーゼを交換してもらいます。自分で替えてはダメだと病院で言われたので、面倒だけど仕方ありません。
ただ救護室には防水テープが無かったので、この日はひとまず普通のガーゼだけで処置。明日のプラクティスランの前に防水テープを買って、救護室に持参することになりました。
その後はマシンをチェックしてから、カニを食べに行ってこの日は終了です。
2021年4月23日(金)【テスト3日目】|マシン・インスペクション
今日は朝イチから救護室に立ち寄り、防水ガーゼに張り替えてもらいました。これで安心してテストができます。
そして午後1時からは、マシンのインスペクション。ひととおり見てもらうと、「シートがダメかもしれない」と言われました。
借り物のシートが大きかったので、インスペクションには発砲スチロールをガムテープで張った物を持って行ったのですが、幅が狭過ぎるからOKかどうかは50%なので、IJSBAに確認すると言われました。
しかし今現在、シート幅に関する明確なレギュレーションはありません。見た目が狭いからといって、違反にはならないはず。そう伝えたのですが、IJSBAの返事待ちで明日の朝イチに返事をすると。
明日はレース初日ですから、そこでダメと言われても対応できません。仕方ないのでテントに戻って、持って来た自分のシートを少し加工して、それを使うことに。こっちは付け足しがないので、見た目的にはOKなはずです。
そして夕方になると、会場沿いの道端と言うか歩道みたいなところにイスが並べられて、そこでライダーズミーティングがおこなわれました。
いつもはメインスタンドでやるのですが、今年は使わないみたいです。
そのミーティング中にインスペクターから、「あなたのシートはOKでした」と回答が。でも自分のシートを加工したので、明日はそっちで行くつもりです。
2021年4月24日(土)【レース1日目】|世界一を賭けた戦いがスタート
今日からいよいよ、自分たちのレースがはじまります。
ワールドカップは全部で4ヒートも走るので、マシンが壊れないこともかなり重要です。壊れて止まれば、当然ながら優勝が遠のきますからね。4ヒートをどのように走るか、レースプランを考えます。
まず、自分は今日のMOTO 1がもっとも重要で、ここを1位でゴールできれば優勝できる可能性はグッと高くなると思っていました。なぜなら午前中のMOTO 1は穏やかな水面のことが多く、午後からのMOTO 2はだいたい波がでるから。
水面が荒れてくれればマシンパワーの差は関係なくなり、腕と体力の勝負になります。だからMOTO 1で勝てれば、MOTO 2も勝てるという算段です。
そして何より、今日勝ってアドバンテージを持っておけば、明日がだいぶラクになります。周りが自分に勝とうとブーストを上げれば、マシンが壊れたりライダーが乗れなくなったりするので、2日目のMOTO 3とMOTO 4は勝率がもっと高くなるはず。
とにかくMOTO 1が最重要と考えて、まずはグリッド決めのくじ引きに臨みます。
◇ ◇ ◇
ここまでの他のクラスのレースを見ていると、明らかにインコースが速いので狙うはインコースのイン側。そう願って自分が引いたのは3番のピンポン球で、インコースのインから2番目でした。これはなかなか良い位置です。砂盃さんは5番を引き、自分の隣になりました。
フライングできないように工夫された独特のスタートタイミングでしたが、ドンピシャで合わせられてなかなかの好スタート。
しかし、砂盃さんはさらに速かった。
2艇身ぐらい一瞬で離されたのですが、トップスピードは同じぐらいで自分の方がイン側だったので、2ブイに向けて少しスロットルを戻した砂盃さんのイン側に飛び込み、イン側のホールショット。合流も1位で、ホームストレートを通過しました。
合流後、うしろを確認するとだいぶ離れていたので、ペースを下げてこのまま安全にゴールしようと思ったその矢先。2周目にまさかのエンジンストップです。最初はテザーが抜けたかと思い、テザーを見たのですが抜けていない。
後続艇とは距離があったので、今からでもエンジンを掛かれば抜かれずに再スタートできると思って色々試したのですが、願いむなしくエンジンはかからず。結局レスキューされてしまいました。
インスペクションエリアでは今崎さんと殿井さんが待っていてくれて、色々見てくれた結果MOTECのカプラーが抜けていることが判明。急いで付け直してレースに復帰したのですが、時すでに遅し。結果はビリで、最悪のスタートとなってしまいました。
でもトラブルがなければ1位だったことを思うと、マシン的には戦える感触。ポジティブに考えて、次のMOTO 2を待ちます。
◇ ◇ ◇
午後のMOTO 2は、MOTO 1でビリだったのでグリッドは選べず。自動的にアウトの一番外側になりましたが、マシンチェンジをしたライダーがいたみたいで(そういう場合はさらに外側になる)、結局自分は大外から2番目に。
でも、正直グリッドはどこだろうと同じです。
なぜなら午後の水面が、予定どおり荒れてくれたから。波があれば勝つ自信はあったので、どこでも良いと思っていました。
スタートはアウトのホールショットで、合流も1位でホームストレートを通過。
良し。
このままペースを落として安全にゴールしようと思っていたら、2周目にオンブイしてしまい、すぐにイレイザーブイへ。そのあいだに、砂盃さんに抜かれてしまいました。次の周回で追い詰め、さらに次の周回でアウトから勝負をかけたのですが、合流で並ぶも抜ききれませんでした。
でも今ので砂盃さんはアウトが速いと思い、次の周でアウトに行くはず。そう思ってバックストレートで砂盃さんの外側に行き、クロスラインで自分はインコースに行って抜こうと思ったその瞬間!! GO PROが折れて飛んでいきました(泣)。
1レース1ゴープロは無くしていて、もはや何個、海に献上したかわかりません。またかよーと思っていたら、目の前で砂盃さんがエンジンストップ。急いでかわして、インコースに行きました。
その後は後続艇を気にしながら、安全なペースで流してゴール。MOTO 1との合計で自分と砂盃さんは同点かと思ったら、砂盃さんより先に止まったライダーがいたみたいで、砂盃さんはビリ2で自分より3ポイント上でした。
今日の結果は砂盃さんが総合3位で、自分が総合4位。その差は3ポイント。まだまだ優勝圏内です。
明日に希望を込めて、レース後には殿井さんがマシンをしっかり整備してくださったのですが、その時にインマニに亀裂が入っているのがわかりました。
ダウナー(マリンメカニックのスタッフ)が溶接に持っていってくれたんですけどダメで、最終的には今崎さんがパテで修理してくれました。そのあいだも殿井さんが隅々までチェックしてくれて、この日は終了です。
2021年4月25日(日)【レース2日目】|日本人対決の果てに
泣いても笑っても、今日ですべてが決まります。
まずは朝イチに、フラミンゴレイクで割れたインマニのテストと調整もして来ました。今日のレースは、MOTO 3もMOTO 4も1位でゴールしないと優勝は厳しい状況です。そのためにはブーストを……上げない!! です。
マシンを壊すのが一番マズいですし、逆に周りがブーストを上げてくれれば壊れるか、ライダーが疲れるはずなので、自分はブーストを上げずに臨むことに。
◇ ◇ ◇
午前中のMOTO 3は波がなく、ベタベタなのでグリッドはインコースが速いはずとインのインを選択。
スタートは良かったのですが、アウトコースの砂盃さんがもの凄い速さで、ホールショットをとられてしまいました。
昨日よりも明らかに速かったので、これは追い付けないと思い勝負は後半の8周目以降と決めて、とりあえず離されないようにうしろを付いて行くことに。
周回遅れが絡んだときや砂盃さんがミスしたとき、またはマシントラブルが起こったときに抜ける位置で虎視眈々と狙っていたのですが、突然自分のシートを止めているボルトが折れて、シートがはずれてしまいました。
シートを足で挟んで固定しながら走らないといけないので、シートがない方が速く走れるくらいですが、こればかりは仕方ありません。ひとつポジションを落としましたが、なんとか踏ん張って3位でフィニッシュ。
これ以上抜かれないようにと最後に頑張ってしまったせいか、体力の消耗がハンパじゃなかったです。急いでテントに戻り、シートの修理と体力回復に専念します。
その隣では、砂盃さんのマシンがトラブルでエンジンを載せ替えていました。砂盃さんは勝つためにブーストを上げた代償で、エンジンに負担がかかってしまったようです。最後まで付いて行ければ、抜けていたかも。レースにタラレバは禁物ですけど。
しかしこの状況なら、MOTO 4は水面が荒れてくれればチャンスはありそうです。しかも最終のMOTO 4は2周多い12周なので、体力勝負になります。
◇ ◇ ◇
いよいよ運命のMOTO 4。砂盃さんはエンジンを乗せ換えたのでグリッドを選べず、アウトの大外になったので自分はアウトのインを選択。同じアウトコースからホールショットをとって、1位になるしか自分に残された道はありません。
現状をおさらいしておくと、自分が1位で砂盃さんが2位だった場合、自分は総合3位で砂盃さんが優勝。
自分が1位で砂盃さんがマシントラブルだと、総合2位のタイ人ライダー(#35)が優勝です。
自分が1位で砂盃さんが2位、現在2位の#35が3位なら、砂盃さんが優勝で自分は総合2位。
要するに、自力での優勝は難しい状況。何がなんでも1位をとって、あとは神のみぞ知る、という感じです。
荒れる予定だったMOTO 4は思いのほか波がなく、しかも周回数が予定より2周少ない10周と、ことごとくアテが外れます。
悲観ばかりしていても仕方ないので、気持ちを切り替えていざスタートすると砂盃さんがめちゃくちゃ速いのがすぐにわかりました。どうやら乗せ換えたエンジンの調子がすごく良さそうです。
イン側にいる自分よりはるか彼方から被せられ、アウトコースのホールショットをとられてしまいました。さらにインコースから来たマシンにも先を行かれ、合流は3位。次の周回で1艇パスして2位にあがりましたが、砂盃さんはもの凄く速かったのでまったく追い付けません。
そのままなすすべも無く、2位でゴール。優勝は砂盃さんで、自分は3位のつもりでインスペクションを受けました。
ところがインスペクションを受けていると、何やら怪しい雰囲気に。自分と砂盃さんと、友人でもあるタイのポンポン(#T79)がインスペクションに引っ掛かりました。
原因はスコープゲートのようで、3台とも同じゲートが付いていました。陸に上げられ、何回も見られましたが、砂盃さんのマシンはOK。自分とポンポンは失格になりました。
MOTO 4だけ失格ということになるので、自分は総合6位に。3位入賞すらなくなってしまい、賞金もゼロになってしまいましたが、1位以外は全部一緒。優勝できなかった悔しさはありましたが、3位になれなかった悔しさはありませんでした。
結局MOTO 1はカプラーが抜けてビリ。
MOTO 2は1位。
MOTO 3はシートのボルトが折れて3位。
MOTO 4は失格という結果になりました。
せめて日本人でワンツーなら良かったのですが……。今崎さんにも申し訳なかったです。
2021年4月26日(月)~28日(水)|【帰国】日本へ戻るのもひと苦労
レース終了後の翌日。今日は朝6時からコンテナにマシンを入れて片付けです。9時から全員集合してコンテナにマシンを入れ、午前中には終了しました。
13時にタクシーを手配して、みんなでバンコクに移動。ホテルにチェックインしたあとは、みんなで4回目のPCR検査。結果は全員陰性でした。
そして翌日の27日(火)はバンコクでのんびりして、28日(水)はいよいよ帰国です。
朝3時に起床して、3時45分にタクシーでスワンナプーム空港へ
思ったよりも早く空港に着きましたが、チェックインにはかなり時間がかかりました。空港内はガラガラで、お店もやっていません。仕方ないので出発まではみんなでラウンジに行き、時間をつぶしてようやく搭乗。
飛行機に乗る際は変わったこともなく、通常どおりスムーズに乗れましたが、成田に着いてからがまた大変でした。
往路でバンコクに着いたときと同様に、成田空港にもイスが並べられていて、まずはそこで1時間近く待たされました。散々待って、ようやくPCR検査です。
鼻に綿棒を入れるPCR検査は4回やりましたが、あれは痛くてたまりません。今回は唾液で検査するタイプみたいでホッとひと安心。
その後は2週間自宅から出ないという契約書を書かされ、スマホに強制的に3つもアプリを入れさせられ、GPSなども強制的に設定されました。
これを日本人に言われるならまだ気分も違ったでしょうけど、カタコトの日本語をしゃべる若い外国人に言われるから微妙な気持ちに。
たぶん英語で対応することを考えての人選なんでしょうけど、日本人には日本人が対応してほしいですね(笑)。
聞き取りづらい日本語で、なおかつ強制的にスマホをいじられるのはあまり気分の良いものではありませんでした。
その後は番号が呼ばれたら帰っていいというシステムなのですが、1時間ほど待ってようやく自分の番号が呼ばれました。到着から待ち時間だけで2時間以上かかったので、もうヘトヘトです。
ようやく帰れると思ったのですが、愛妻アケの番号がなかなか呼ばれません。しばらく一緒に待っていたのですが、「呼ばれたひとは早く外に出てください」と言われてしまったので、仕方なく外で待っていることに。
もしアケが陽性だったら大変です。しかも今のところ外に出られたのは自分と殿井さんだけで、不安のなか待つこと15分。全員が陰性となり、無事日本に帰国することができました。
検査もしていない人たちより、1か月で5回もPCR検査をした自分たちの方がかなり安全だと思うのは、自分だけでしょうか?(笑)
日本を出るとき、タイに着いたとき、隔離中、タイを出国するとき、日本に入国するときと、すべて陰性なのにまた2週間も自宅隔離です。まあ、ホテルに隔離されて暇を持て余すよりは幾分マシですけどね。
いやはや、海外戦に行くのは大変な時期です。
というわけで今回も応援いただきましたスポンサーさま、日本から応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
結果が出せず残念なレースになってしまいましたが、この経験はかならず次戦につながると思っています。
今後とも応援のほど、よろしくお願いします!
#1 POUND ONE
#86 生駒 淳