K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
夏もまっただ中ですが、みなさん水上バイクライフをエンジョイしていますか?
新型コロナウィルスが5類に移行して様々な制限が解除され、全国各地で海水浴場も開設されたことで、今年は水上バイクユーザー以外の人たちも海や湖などの水辺に行く機会が増えていると思います。
それに伴い、水辺の事故も増えているのが現状です。
事故の発生場所として多く見られるのは、比較的狭くて浅い川。
水上バイクではあまり利用しない水域かもしれませんが、そんな場所で遊んでいるときの事故が目立っています。
理由として考えられるのは、足を取られて流されるパターンでしょう。
そもそも川は色々な流れの集合体なので、水面は穏やかでも川底は複雑な地形だったり、堆積している土砂が柔らかかったりします。
そのため遊んでいるうちに足を取られて流される、という事故が多いのではないでしょうか。
一方海では、浮き輪に乗って沖への風に流されたり、浮きモノを追いかけてそのまま一緒に流されることも多いようです。
この時期は安全管理された海水浴場にライフセーバーがいますし、たまたま沖合にいた水上バイクユーザーに救助されるなど事故に至らないケースも多いですが、遊泳禁止区域やオフシーズンには悲しい事故があとを絶ちません。
最近テレビの報道などでも良く耳にするようになった「離岸流」も、そんな事故の要因のひとつです。
離岸集とは海浜流の1種で、海岸に打ち寄せられた波が起きに戻ろうとするときに発生します。
速さは最大で秒速2m、幅は10~30m前後で、長さは数10~数100mといわれていて、水泳選手でもこの流れには逆らって泳げないといわれています。
では、そんな危険な場所になぜ近寄ってしまうのか。
その理由のひとつは、沖に向かう流れが波を打ち消すため、周囲とくらべて水面が穏やかに見えるからでしょう。
ここは安全そうだと勘違いして入水してしまい、流されてしまうひとが多いようです。
K38 JAPANの支部団体でもある北海道ウォーターセーフティ協会では、夏場になると小学校などにプールの出張授業をおこなっていますが、そこではかならず離岸流の話しをしています。
みなさんも機会があれば、周囲のひとに離岸流の恐ろしさについて伝えてあげてください。
ちなみに離岸流に逆らって泳ぐのは困難ですが、幅はそれほど広くないので岸と平行に泳ぐのが一般的な脱出方法といわれています。
そしてもし、水上バイク乗船時に流されているひとを見つけたら、迷わず救助してあげてください。