生駒 淳の国内レース参戦記#04|JJSF全日本選手権シリーズ第1戦&第2戦

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2021 JJSF全日本選手権シリーズ 第1戦&第2戦
愛知県蒲郡市 ラグーナ蒲郡 2021年5月15日~16日


生駒 淳 Jun Ikoma
国内だけにとどまらず、世界中のレースに積極的に参戦する日本有数のトップライダー。2011年よりJJSFに参戦し、国内では2015年と2017年にはPRO RUNABOUTでシリーズチャンピオンに。海外では2012年にKINGS CUPで2クラス制覇、2018年にタイのJET SKI PRO TOURでシリーズチャンピオン、2019年にフィリピンのNATIONAL JET SKI RACEでシリーズチャンピオン、2019年のIJSBA WORLD FINALSで世界2位と、輝かしい成績を残す。


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2021年5月15日(土)|2021シーズンの国内戦が開幕

今回は「PRO RUNABOUT OPEN」と、シリーズ上位2名にJET SKI WORLD CUPの出場権が与えられる「PRO RUNABOUT GP」の2クラスにエントリーしました。

まずは午前中のOPENクラスですが、朝イチのライダーズミーティング後にグリッド決め抽選があり、自分はアウトコースの一番アウト側を選択。

というのも、今回OPENで乗るマシンがまたもやぶっつけ本番なのです。はじめてブイを回るので、念のため大外から様子を伺おうと思っていました。

ちなみにそのマシンというのは、殿井さんの新型RXP-X。別のレースで落合さんがホールショットを取ったマシンなので、速さは実証済みです。

◇ ◇ ◇

予定どおり大外のグリッドに並び、まずまずのタイミングでスタート。アウトのトップで、イン側を見ても前には誰もいませんでした。そのままアウトコースのホールショットで、合流もトップに。

波も高くなかったのでそのまま気持ちよく走り、先頭をキープしたままトップフィニッシュ。

このレースの目標は前に出たらぶっちぎらないで、とにかくマシンと体力を温存することだったのですが、レースを終えて戻ったら「もっとペースを落として!」と叱られてしまいました(笑)。

そしてOPNEクラスの次はGPクラスがあるので、インスペクション後はチームテントに戻って体力回復に専念。水分補給をしながらイスに座って、なるべく動かないようにします。

そのあいだも他のレースを見ながら、インコースとアウトコースのどちらが速いのをチェック。カラダは休めても頭は常にフル回転です。

◇ ◇ ◇

GPクラスの自分のグリッドは、アウトコースのイン側から3番目。2020シーズンの最終戦で一度だけ乗った、フランスのEASY RIDER製のマシンで挑みます。正直なところ、自分には乗りこなしづらいというか、じゃじゃ馬なマシンなので果たしてどんなレースになるやら。

まずはスタートですが、ものすごい加速でアウトコースのトップ。合流も1位で、ホールショットです。1周目のホームストレートエンドでいきなりスピンしてしまったのですが、後続艇と少し距離があり、マシンを立て直してからコースに戻っても1位のままでした。危ない危ない。

そのままなんとか逃げ切ることができ、HEAT 1はOPEN、GPともにトップフィニッシュ。幸先の良いスタートとなりました。

◇ ◇ ◇

午後のOPENクラスは、アウトコースのイン側を選択。午前中より波があったのですが、アウトのホールショットで合流も1位に。HEAT 1と同じく、前に出られたらGPクラスに備えて体力を温存するのがこのレースの課題です。

幸い海面は荒れぎみで、自分には有利な状況。後続艇を気にしながらトップをキープし、そのまま1位でゴールできました。

続くGPクラスは、アウトのイン側からスタート。まずまずのタイミングで飛び出しましたが、やはりアウトコースは波が高く「これはツラいレースになるな」と予感。

というのも自分が乗っているマシンはショートハルで、さらに下のトルクが強烈なため、波に合わせて走るには向いていません。平水のベタベタな水面なら良いのですが、荒れてしまえばただの罰ゲーム(泣)。OPENクラスでは味方してくれた海面が、一転して牙を剥いてきました。

エアフラップやエアダウンノズルは付いているのですが、使ったことがないし使い方すらわかりません。きっと跳ねなくなるはずだ、とぶっつけ本番で使ってみましたが、うまく走ることができず3周目にアウトからきた後続艇に抜かれて2位に。やっぱり難しいマシンです。

その後も試行錯誤しながら走ってみましたが、ペースを上げることはできず。結局乗り方の正解がよくわからないまま、2位でゴールとなりました。

2021年5月16日(日)|上々のシーズンスタートに

朝イチのプラクティスランでOPENクラスのマシンが不調なことに気づき、殿井さんに見てもらうことに。自分のレースまでに直らずスペア艇をお借りする可能性があるため、インスペクションにマシンを持って行き待機していました。

結局本番マシンはレースに間に合わず、スペア艇で走ることに。前のレースが終わった瞬間に、インスペクションの終えたスペア艇がスロープから降りてくるのが見えたので、急いで降ろしてそのままグリッドに並びました。

グリッドはアウトの大外。スタートと同時に飛び出しましたがいまいち加速せず、自分のイン側にいた愛妻アケがものすごい速さで出てきました。自分はそのまま大外から、いちおう彼女のラインは開けつつかぶせていきました。

アケに抜かれることなく合流も1位だったのですが、やはり調子が悪そう。直線は少し吹けて、コーナーを曲がると失速します。それを繰り返しながらのレースとなり、なかなか厳しい状況でしたがなんとかトップは死守。いやあ、かなり危なかった。殿井さんに急いで症状を伝え、次はGPクラスです。

グリッドはインから2番目を選択。昨日のGPクラスは1位と2位で、総合は結局2位でした。両HEAT合計が同率の場合は、HEAT 2の順位を参照して総合順位が決まるようです。ということは、HEAT 1で無理して1位を取る必要はないわけで。とはいっても、HEAT 2で絶対に1位が取れるとは限らないので、手は抜けないですけどね。

ただ今回は海面がすごく荒れているので、マシンを壊さずに体力を温存する必要があったので、「最悪2位でも」という目論見はありました。

◇ ◇ ◇

スタートは相変わらずマシンが速いのでホールショット。そのまま合流もトップで、しかも波が想像以上に高いからか、他のライダーのペースが上がってきません。すぐに周回遅れが絡みだし、インに行ってもアウトに行っても2艇ぐらい前にいる感じ。合流後は4艇の周回遅れをかわす必要がある状況です。

JJSFはなぜか周回遅れにブルーフラッグを振らないので、前を走っているライダーは先頭の自分がうしろに迫っていることに気づきません。高波の荒れ海面ですから、無理に抜こうとすれば接触する可能性が非常に高い。

そうこうしているうちに2位の選手に追いつかれ、追い抜かれてしまったので、今回は無理をせずに2位でゴールしようと決断。ところがトップを走る選手も周回遅れに苦しんでペースを上げられず、自分との距離がどんどん詰まってきました。

迎えた最終ラップ。インとアウトにわかれてどちらが前に出るか、という状況でしたが、お互い周回遅れに引っかかり順位は変わらず。自分は2位でゴールとなりました。さすがにあれだけ波があって周回遅れが多発しているなら、ブルーフラッグを振ってもらわないと危険ですね。

◇ ◇ ◇

OPENクラスのマシン不調はインタークーラーが原因だったようで、昼休みに殿井さんが交換してくれました。午後のレースにはなんとか間に合ったのでそのままグリッドに並んだのですが、やっぱり調子が悪い。直線は問題ないのですが、コーナーでGが掛かると吹けなくなってしまうので、トップを走っていても安心できません。

後続艇に抜かれるかもと思いながらのヒヤヒヤなレース展開でしたが、なんとかトップの座を守ってフィニッシュ。

その後のGPクラスですが、スタート前に海面がだいぶ落ち着いてきたのでEASY RIDER艇にとってはバッチリのコンディション。グリッドはインの2番目でスタートし、そのままホールショット。

今大会はこのGPクラスが最終レースだったので、残った体力をすべて出し切るつもりで走り、結果ぶっちぎりでトップフィニッシュとなりました。

2日間の総合順位はOPENクラスが2連勝、GPクラスが2位と1位で、上々の滑り出しとなりました。

今回も応援いただきましたみなさま、スポンサーさまありがとうございました。次戦以降も全戦優勝を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします!

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#86 生駒 淳

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