K38 JAPANコラム「HOT WATER SAFETY」vol.140|自転車は努力義務に。どうする!? ヘルメット


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


冬の到来により、寒さが本格化してきましたね。水も空気も澄んだいい季節になりました。

今水上バイクに乗られているひとは、今しか味わえない景色を堪能していることでしょう。

ところでみなさんは、「ヘルメット」を着用していますか? バイクに乗られる方にとっては必要不可欠なアイテムでしょう。

水上バイクにおけるライフジャケットと同様に、着用義務がありますからね。

では、自転車に乗られる方はどうでしょうか。

話題になったのでご存じかと思いますが、すべての自転車利用者のヘルメット着用を努力義務とする改正道路交通法が、2023年4月1日から施工されました。

◇ ◇ ◇

まずはヘルメット着用の歴史を少し紐解いてみましょう。

1986年7月5日に「道路交通法」が改正され、原付(原動機付自転車)のヘルメット着用が義務化されました。

1960年代にオートバイが普及し、事故が急増したことを受けての法改正でした。

付の前(1975年)に50cc以上のオートバイの着用義務が始まり、その後に原付も、という流れです。

◇ ◇ ◇

ヘルメットで頭部を守ることにより、事故での死亡率や重症リスクが大幅に減少するのは想像に難くないでしょう。

自転車が努力義務になったのもそれが理由ですが、あくまで「着用するように努めましょう」というのが現状です。

罰則もありませんから、着用率はまだまだ高くありません。

おそらく「自転車に乗るときはヘルメットをかぶる」という行為そのものが頭にないのでしょう。

しかし考えてみてください。わずか数千円のヘルメットが、命を守ってくれるかもしれないのです。

警察庁によると、2021年に自転車の乗車中の事故で361人が亡くなりました。

このうちの約6割が、ヘルメット未着用で頭部を損傷していたそうです。

もちろんヘルメットさえかぶれば絶対安全、というわけでもありませんし、自分の頭のサイズに合った製品を正しく選ぶことが大切です。

ヘルメットの前側が眉毛の少し上にくるようにかぶり、顎ヒモは指が1~ 2本入るぐらいに調整して締めましょう。

そして自転車だけでなく、水上バイクでもヘルメットを着用することが好ましいと我々は考えています。

万が一事故に遭ったとき、頭部を守ることで死亡率が下がるのは水上バイクも同じですからね。

利用者自身の命を守ることはもちろん、家族や大切なひとを悲しませないためにも、ヘルメットをかぶり、船長の遵守事項をしっかり守って安心安全に水上バイクを楽しんでください。


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