K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
このコラムを読んでいる読者の多くは、特殊小型船舶免許(以下、水上バイク免許)を所持していると思います。
夏に向けて最近取得した、というひともこの時期は多いでしょうか。
晴れて合格した方は、この夏、水上バイクを思う存分楽しんでください。
もちろん安全への配慮もお忘れなく。
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ところでみなさん、その免許はどこで取得しましたか?
ほとんどすべてのひとが教習所に通い、日本海洋レジャー安全・振興協会(以下、海レ協)などが開催している国家試験を受けたはずです。
その際、免許取得前ですがご自身で水上バイクを操船しましたよね。
そこで「まだ免許を持っていないけど、操船してもいいの?」と疑問に思うひとはさすがに少ないと思いますが、みなさんもご存じのとおり、水上バイクは免許者の自己操縦が義務づけられています。
では、なぜ免許無しで水上バイクを操船できるのか。
ぼんやりと「教習所だから大丈夫」と思っているひとが大半だと思いますが、ある意味それも正解です。
しかし、実は教習所以外の場所でも免許無しで操船できる場合があります。
今回はその仕組みについてお話ししていきましょう。
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まず繰り返しになりますが、水上バイク免許を持っていなければ水上バイクは操船できません。
無免許で操船した場合は30万円以下の罰金となり、無免許者に水上バイクを貸したひとにはなんと100万円以下の罰金が科せられます。
それなら、なぜ教習所では操船できるのか。
もちろん法を犯して講習や試験がおこなわれているわけではありません。
教習所や海レ協などの講習・試験実施者が『自己操縦免除申請』をおこなうことで、その水域では免許が無くても水上バイクの操船が可能になるのです。
たとえば港内が会場の場合、漁業協同組合、港長、海上保安部に届出を提出して、最後に国土交通省に許可をもらうことで講習や試験が可能になります。
免許が無くても操船できる試乗会も時折開催されていますが、それも同様の仕組みです。
我々K38 JAPANの母体組織である北海道ウォーターセーフティ協会でも、水上バイクレスキューにあたる人材確保のため新たに5名が免許を取得しました。
今年もすでに多くの水難事故が発生していますが、例年、無免許者の事故もあとを絶ちません。
文中でもお伝えしたとおり、無免許操船も無免許者に水上バイクを貸したひとにも重い罰金が科せられます。
免許を失効しているひとも無免許扱いですし、免許を持っているひとが同乗していても、無免許者は操船できません。
免許が無ければハンドルは握らない・握らせないように徹底しましょう。