【コラム】K38 JAPAN「HOT WATER SAFETY」vol.147|水上バイクのヘルメット着用について考える


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


みなさんは水上バイクに乗船する際、当然のごとくライフジャケットを着用されていると思います。

ひと昔前とくらべると、未着用者はほとんど見かけなくなりました。

それだけ着用の意識が浸透したということでしょう。

では、ヘルメットはどうでしょうか?

おそらくレジャーで水上バイクを楽しんでいるほとんどのひとが、着用していないと思います。

ライフジャケットとは異なり、ヘルメットに着用の義務はありません。

しかし頭部を守ることは、万が一に備えた重要な予防策といえます。

およそ1年前の2023年4月1日に、自転車では利用者のヘルメット着用が努力義務となりました。

ところが1年が経過した今、着用率は13%程度にとどまっているようです。

未着用の理由は「周りが着用していないから」「髪型が崩れるから」「蒸れて暑いから」などの声が多いとか。

警察庁の発表によると、過去10年の自転車事故による死者の致命傷部位は、頭部が約65%でもっとも多いとのこと。

さらに非着用の致死率は着用の2.4倍というデータがあります。

この事実を踏まえたうえで、自転車に乗るひとはヘルメットの着用についていま一度考えてほしいものです。

そんな自転車とは打って変わって、国際サーフィン協会(ISA)がパリ五輪でのサーフィン競技でヘルメットの着用を推奨し、選手からは賛同の声があがっています。

会場のタヒチ(フランス領ポリネシア)の「チューブ(筒状の波)」はパワフルで、負傷する危険性が高いことが背景にあるようです。チューブに巻き込まれると身動きが取れなくなり、海底の岩礁やサンゴに衝突する可能性もありますから、ヘルメットの着用は必然といえるかもしれません。

それは水上バイクにも同様のことがいえます。

市販艇でも時速120キロに達するほど高性能な昨今の水上バイク。

操船中にかかる飛沫も並大抵の勢いではありません。

アイウェアを着用していなければそれが顔に直撃し、一時的に視界不能になることも。

その時、目の前にプレジャーボートがいたら……。

万が一事故に遭っても、頭部を守るヘルメットを着用していれば命は助かるかもしれません。

水上バイクの利用者自身の命を守ることはもちろん、家族や大切なひとを悲しませないためにも、みなさん、ヘルメットを着用しませんか?

今年の夏はヘルメットを着用して、船長の遵守事項を守り、安心安全に水上バイクライフを楽しんでください。

我々K38 JAPANでは今後も、一歩も二歩も先に目を向けた安全対策を提案していきます。


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