【コラム】K38 JAPAN「HOT WATER SAFETY」vol.148|楽しさと責任の両立


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


水上バイクは夏の代表的なマリンアクティビティとして、多くのひとに愛されるノリモノです。

ひとりで乗って爽快感やスリルを味わったり、陸上からは見られない非日常の景色を満喫したり、まだ見ぬ大物を夢見て釣りを楽しむのも素晴らしいですが、それらを共にする同乗者がいれば楽しさは何倍にも膨らみます。

そこで共有した体験は、いつまでも良い思い出として記憶に残るでしょう。

しかし同乗者がいる場合は、そのひとの安全を確保する必要があり、船長として大きな責任を負っていることも忘れてはいけません。

◇ ◇ ◇

誰かをうしろに乗せるうえで、まず確認してほしいのが水上バイクの定員と最大重量です。

定員については自分の水上バイクが何人乗りかほとんどのひとが把握していると思いますが、実は重さにも上限が定められています。

たとえばSea-Doo GTX LIMITED 300なら、272kgが搭乗可能な重量の上限となっています。

これを超えるとバランスが崩れやすくなったり、安全な操船に支障をきたす可能性があります。

事故のリスクも増加しますから、定員と最大重量はかならず守るようにしましょう。

そして同乗者には事前に泳げるか確認したうえで、かならず桜マークもしくはJCI認定のライフジャケットを着用してもらいましょう。

合わせて、ウェットスーツなどのネオプレン製のウェアを着用することも推奨します。

特に女性はビキニや丈の短いボードショーツを着用していると、落水した際にジェット噴流で大ケガを負うリスクがあります。

ネオプレン製のショーツもしくはインナーを着用して、万が一に備えてください。

また同乗者がビギナーの場合は、落水したあとに再乗船する方法も事前に練習しておいたほうがよいでしょう。

足の届かない水中から乗り込む際、リボーディングステップが無いと足が掛けられずに手間取ることもあります。

誰かが落水した場合や、一時的に水上バイクから離れて泳ぐことになった場合に備え、安全に船まで戻るための方法も覚えておきましょう。

◇ ◇ ◇

繰り返しになりますが、同乗者がいるということは楽しい反面、大きな責任も負うことになります。

ハンドルを握るあなたのミスや「振り落としてやろう」というちょっとした出来心が、うしろに乗る大切なひとを危険にさらすことになります。

仲間や家族、恋人の命を預かっている、ということを肝に銘じて、同乗者が安心して楽しめる環境を船長であるあなたが作ってあげてください。

水上バイクに乗るすべてのひとがケガ無く、安全で楽しい時間を過ごせますように。

 


K38ジャパン

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