【コラム】K38 JAPAN「HOT WATER SAFETY」vol.158|自然とともに走る『持続可能』な水域利用


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


九州地方をはじめとした西日本の各地では、6月下旬という異例の時期に梅雨明けが宣言されました。

東日本でも例年より早い梅雨明けとなりそうなので、みなさんもソワソワしているか、もしかするとすでに海上へ繰り出しているかもしれませんね。

いよいよ夏本番。水辺のアクティビティが一気に活気づく季節ですが、梅雨が早く明けたからといって大雨がまったく降らないわけではありません。

台風のシーズンも控えていますから、出航前にはかならず気象情報を確認しましょう。

◇ ◇ ◇

さて、そんな水上バイクユーザーにとって胸躍るハイシーズンが到来したわけですが、私たちが水上バイクを楽しむフィールドには多くの生き物が生息し、近隣には地域の人々の生活があることも忘れてはいけません。

水辺に住宅がある場合や通行人がいる場所へは、むやみに近づかないのが鉄則。川幅の狭い水路などでやむを得ず走行する場合は徐行を徹底しましょう。

また近年の水上バイクはスピーカーの標準装備が当たり前となっていますが、そこから出る音にも注意が必要です。

あなたにとっては心地よい音楽も、他のひとにとっては騒音になることがあります。

場所や状況に応じた音量の調整をお願いします。

次に水上や水辺だけではなく、水のなかにも目を向けてみましょう。

水上バイクの走行音や波は、水生生物にストレスを与えることもあります。

特に浅瀬では海藻などの底生植物に悪影響を及ぼし、藻場を破壊する恐れも。

また水上で燃料補給をする際は、ガソリンをこぼさないように細心の注意を払いましょう。

水質汚染の懸念はもちろん、これも地域住民や観光客とのトラブルの原因になります。

◇ ◇ ◇

K38 JAPANでは、水上バイクを『安全な乗り物』として活用するだけではなく、『自然と共生するツール』ということも強く意識しています。

静音区域では徐行や最徐行を徹底し、産卵期や保護区への接近を控える。燃料管理を徹底し、航路は地域のルールに従って選ぶ。

こうした配慮が自然や地域住民との共生を可能にするとともに、私たちのフィールドを未来に残すための行動にもなります。

『速く走る』『上手に走る』といったテクニックよりも、『守りながら走る』という意識こそが、今後の水上バイクユーザーには必要ではないでしょうか。

全国各地でゲレンデの閉鎖があとを絶たない昨今。

あなたが楽しく遊んでいるその水域も、数年後には水上バイクが乗れなくなっている可能性があります。

この夏は安全運転と環境への配慮を両立し、次世代に繋げる持続可能な水上バイクライフを実践してみてはいかがでしょうか。

 


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