【コラム】K38 JAPAN「HOT WATER SAFETY」vol.160|「楽しい」と「守る」を両立した次世代の育成


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


水上バイクはその機動性や爽快感から多くの人を魅了するノリモノであり、唯一無二のマリンアクティビティといっても過言ではありません。

家族で楽しめるのも魅力のひとつで、小さなお子さんも同乗して非日常を体験できます。

最近では「子どもが大きくなったから免許を取らせて一緒に乗っている」という、いわゆる二世ライダーも増えているようです。

幼少期から家族で水上バイクを楽しんでいると、「いつかは自分も操船するのだろう」と自然と思うようになるのでしょう。

そんな家族の絆も繋ぐ水上バイクですが、ご存じのとおり日本で操船するなら『特殊小型船舶操縦士免許』が必要であり、16 歳から取得が可能です。

免許取得前の小中学生は同乗での体験に限られるわけですが、そんな彼ら彼女らを乗せてハンドルを握る大人のみなさんは楽しいことだけではなく、そこにどのようなリスクが存在するのかもぜひ教えてあげてください。

たとえ操船できなくても、「見て・乗って・感じる」という初期体験が将来の安全意識に繋がります。

そして我々K38 JAPAN では、年齢や経験に応じた段階的な教育もおこなっています。

たとえば免許を取得できない小中学生には、安全装備の重要性や同乗中の姿勢、海でのマナーを学べる体験乗船プログラムを実施。

水上バイクの楽しさを感じてもらいながら安全面について考える機会も作っています。

免許が取得できる年齢の高校生にはインストラクター同乗で操船をしてもらい、自分で操る感覚を体験しながら海域ルールの基礎知識やトラブル対応なども学んでもらっています。

そして免許取得後のビギナーには、操船技術のみならず判断力やリスク認識、譲り合いのマナーを育むカリキュラムを展開。

スキルと心の両面から無事故での運航を実現するための基礎を築くお手伝いをしています。

◇ ◇ ◇

アメリカでは水上バイクの事故の90% 以上が、判断ミスや見張りを怠ったことにより発生しているといわれています。

「技術よりも状況を見通す力」が問われており、それは日本でも同じこと。

上手に乗りこなすスキルより、まずは無事に戻ること。

そのための知識や技術、さらには仲間を守ることに重点を置いた教育をK38 JAPAN では今後も継続していき、楽しい体験を安全に終えるための「守る力」を伝えていけたらと思います。

そして子どもを乗せて操船する大人のみなさんにも、次世代の教育を担ってもらいたい。

うしろに座っているお子さんは、あなたの背中を見ていますよ。

模範となるような振る舞いをお願いします。


K38 JAPAN
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