オートトリムに自信あり|2021 YAMAHA Marine Jet|GP1800R SVHO開発インタビュー

進化を続けるパフォーマンスモデル

2021年にフルモデルチェンジを果たしたGP1800R SVHOは、足回りの最適化と新機能「オートトリム」により走行性能が向上。また装備類の充実により、快適性の向上も実現している。

では「どこが」「なんのために」「どう」変わったのか。開発担当の三輪さんに詳しく聞いてみた。

インタビューに答えてくれたのは

三輪純也さん Junya Miwa
ヤマハ発動機
マリン事業本部 開発統括部
WV開発部 製品開発グループ

走行性能の向上と乗りやすさを追求

新型GPの気に入っている部分を教えてください。

ふたつあるんですけど、まずはエルゴノミクスの改善です。姿勢がラクになったので、より無理のないライディングポジションで乗れるようになりました。

具体的な変更点をあらためて教えてください。

シート幅が狭くなって、フットウェル(足元)も深くなったので、より自然に座れて旋回時もニーグリップしやすくなっています。変に力を入れる必要がないので、従来モデルよりも乗っていてラクだと思います。

ハンドル、シート、フットウェルを調整してよりラクな姿勢を可能に。

エルゴノミクスの改善と併せて、燃料タンクを80mm後方、15mm下方に配置することで、重心位置も変更されましたね。

燃料タンクのような重量物を後方かつ下方に移動することで、重心位置がより艇体の中心に近くなりました。これにより旋回時の慣性モーメントが低減され、よりクイックなコーナリングが可能になりました。

Rider|三輪純也

なるほど、ではもうひとつのお気に入りポイントを教えてください。

加速がかなりよくなっていることです。従来モデルは加速のときとか跳ねたときに若干ロスがあったんですけど、インテークゲートの開口部を広げることでそれを改善して、より力強い加速を実現しています。

開発するうえでもっとも苦労した部分はどこでしょう?

先ほどの回答と重複するんですけど、キャビテーションの改善ですね。最終的にインテークゲートの開口部を20mm 広げるところで落ち着きましたが、そこに至るまでが大変でした。

ライドプレートは従来同様。

ただ広げればいい、というものでもないのですよね。

広げすぎればトップスピードが落ちてきたりもします。色々な仕様を試して、一番いいところが見つかったという感じです。

色々な仕様というのは?

開口部の大きさとか、形状とか、あらゆるタイプを無数に試しました。

シート下のフタ付き防水ストレージをはじめ、収納も充実。
足元に溜まった水を自動排水するフットウェルドレンを装備。
水から再乗艇する際に掴みやすいリボーディンググリップ。

最後に、どこに注目して乗ってほしいですか?

新機能のオートトリムはぜひ使ってみてほしいですね。トリムが自動的に下がることでより速いスピードでコーナーに入っていけますから、ビギナーの方でもプロのようなコーナリングスピードを体感できるはずです。

ヤマハ発動機

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