マリンジェット初の4ストスタンドアップが誕生
1989年10月に、マリンジェット(MJ)初のスタンドアップモデルとして産声を上げたSuperJet(SJ)。
軽快な乗り味と高い運動性能で多くのファンを魅了し、モデルチェンジを重ねながらおよそ30年に渡るロングセラーとなったが、2019 年を最後にラインアップから姿を消すことに。
「進化して帰ってくるはず」と復活を待ち望む声も多かったが、早くも2021年モデルで、その願いが叶うことになった。
4ストローク3気筒1049cc、101馬力のTR-1エンジン搭載
EX DeluxeのTR-1エンジンをベースに、コンパクトなボディを実現するため吸気ボックスの小型化や電装品のレイアウトを最適化。
4ストエンジンを搭載しつつ、「できるだけ旧型に近づけるように、サイズアップを抑えた」ことが開発陣のもっともこだわった部分であり、苦労した部分でもあったという。
その甲斐もあり、4ストローク3気筒エンジンを搭載しながら、容易な運搬性も実現している。下記の新旧比較表を見れば、その努力の結果がうかがい知れるだろう。
また従来の66馬力から101馬力へと出力が向上したものの、燃料消費量は同等レベルを維持。
燃料タンク容量は+1リットルと微増だが、航行可能距離は最高速度が上がった分、若干ながら伸びているという。
新旧SJスペック比較
2019モデル | 2021モデル | 差 | |
全長 | 2240mm | 2430mm | +190mm |
全幅 | 680mm | 790mm | +110mm |
全高 | 660mm | 760mm | +100mm |
乾燥質量 | 139kg | 170kg | +31kg |
燃料タンク容量 | 18L | 19L | +1L |
総排気量 | 701cc | 1049cc | +348cc |
最大馬力 | 66ps | 101.4ps | +35.4ps |
SJらしい軽快性や旋回性能を継承する新型ハル
サイズアップを抑えることともうひとつ、開発においてこだわったのが「これまで培ってきたSJのDNAを継承する」こと。
軽快性や旋回性能の高さがSJの魅力であり、4ストモデルでもそれを損なってはいけないと、新型ハルの開発に着手。
できるだけ小さく、軽くというミッションも加味しながら生まれたハルは、フロントワイドの形状で旋回性能と直進安定性を両立している。
ハルの成型はVaRTM(バータム)製法を採用。真空含浸工法とも呼ばれるもので、軽量化や高精度化を得意とし、スタイリングの自由度も高いという。
成型時の揮発性ガスの発生が最小限に抑えられることから、環境にも配慮した製法となっているのが特徴だ。
デザイン面も飛躍的に進化
ボディにキャラクターラインや凹凸形状を多用することで、軽量感や俊敏性をイメージさせるデザインに。
ホワイトとブラックのカラーリングは「“Less is More”(ミニマルデザイン)を表現しているのと、ヨーロッパからの要望を反映しています」とのこと。
シンプルながら新しさを感じるデザインで、その進化を外観からも感じ取ることができる。
あらゆる面で進化を感じられる、ファンも納得の仕上がりに
4ストエンジンの搭載により最大出力もアップしており、基本性能が
飛躍的に向上していることは容易に想像できるだろう。
そこにSJらしい軽快感と旋回性、そして次世代を感じさせるデザインが加わり、新型SJは全方位で進化した、まったく新しいスタンドアップといえる。
そして従来モデルをしのぐロングセラーとなり、長きに渡って愛されていくだろう。
MJ-SuperJet主要諸元
全長×全幅×全高 | 2430×760×790mm |
乾燥質量 | 170kg |
燃料タンク容量 | 19L |
エンジン | 1049cc TR-1 Engine |
最大出力 | 101.4ps |
排気量 | 1049cc |
吸気方式 | 自然吸気 |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
定員 | 1名 |
メーカー希望小売価格 | 1,391,500円(税込) |
※価格には定員分の法定安全備品類、進水諸経費等を含み、オプション・検査登録諸費用は含まれません