【動画あり】2021 YAMAHA Marine Jet|GP1800R SVHO試乗インプレ

旋回性能をワンランクアップするオートトリムの実力

マリンジェット唯一無二のパフォーマンスモデルであるGP1800R SVHO が、2021 年にフルモデルチェンジしたのは既報のとおり。

走行性能を高めつつ快適性も向上|2021 YAMAHA MJ-GP1800R SVHO

各部の変更や新機能により走行性能と快適性の双方が向上しているが、なかでも走りに大きな影響を与えるのが「オートトリム」だろう。

インプレッションライダーを務めてくれた元JJSBAチャンピオンの橋本祐一は、オートトリムを実際に体感してこう語る。

橋本祐一 Yuichi Hashimoto
JJSBAを主戦場に、2009年から2011年にはA R/Aクラスを3連覇。2013年と2014年にはA ULTRAクラスを連覇し、2017年にはA X-2クラスでシリーズチャンピオンに。ランナバウトからスタンドアップまでなんでも乗りこなすマルチなレーサーであり、本誌試乗インプレッションではお馴染みのライダーでもある。


「最初はオートトリムがオフになっていたんですけど、“これはすでに(オートトリムが)効いているのかな?”と思って乗っていたんですよ、実は(笑)。それぐらい通常時の旋回性能と加速性能も高かったんですけど、いざオンにしてみたら、さらにクイックになって驚きました。

誰でも感じられるぐらいの差があります。加速もビックリするぐらいで、はえーなコレ、って(笑)」。


旋回時と低速からの加速時に、ノズルを自動でダウン位置に移動。バウを下げることで旋回でのグリップ力を向上し、加速時のバウライズも抑える。

これがオートトリムの仕組みと効果だが、走りにおよぼす影響は想像以上。橋本が言うとおり、足回りの最適化によりベースの旋回・加速性能も向上しているが、ハル形状を変更することなく、ひとつの機能で走行性能の飛躍的な向上を実現している。

コネクスト・マルチファンクションディスプレイを新たに採用。
液晶の操作はハンドルの右下にあるタッチパッドでおこなう。
ディスプレイと併せて、速度3段階、加速2段階から設定可能なドライブコントロールも搭載。
インテークゲートのダクト後端を20mm拡大するなど、足回りも最適化。

不安なく操れる安心感

またオートトリムの採用により、「安心感」という副次的な効果も生み出しているという。


「旋回性能を重視するとハルのV角がキツくなっていくのが一般的ですけど、そうするとプレーニングもしづらくなるし、常に水を切って走るから荒れた水面でハンドルを取られることがあります。

レースならまだしも、レジャーで乗るならそれがツラく感じてしまうかも。その点この新しいGPは、ハルを変えることなく旋回と加速を向上させている。

船体の軽さも活きているのか、ハンドルを取られることもなく思いどおりに操れます。いきなり全開で乗っても楽しめるような安心感がありますよね」。


燃料タンクの配置変更にともない、重心位置がより船体中央に近づいている。この影響で「ハイサイドを食らって放り出されるようなこともなかった」というのも、安心して乗れる理由のようだ。

オートトリムのオン・オフ操作はディスプレイ上でおこなう。
ライディングポジションが見直され、フットデッキは幅広で低床に。
シート幅が細くなり、よりニーグリップしやすい形状に。
ハンドル位置も変更され、デザインもスマートに。

より速く、よりスマートに

そして試乗時は強風による荒れた水面だったが、「かなりラクに乗れた」と橋本は続ける。


「軽いボディでレスポンスがよくて、なおかつクイックなターンができるから波のなかを走っても自在にコントロールできます。実はヤマハのランナバウトに乗った経験はそれほど多くないんですけど、完成度の高さに驚きました。

もしやヤマハに乗ってた他のレーサーは、こんなにラクしてたの? って今さらながらに思うほどでしたよ(笑)」。


アッパーデッキの変更にともない、よりレーシーで洗練されたデザインに。
スイッチケースもコンパクトに。

コンパクトな船体とパワフルなエンジンの組み合わせにより、乗り手を選ぶ印象もあるGP。

しかしライディングポジションや重心位置が改良されたこともあり、走行性能だけでなく乗りやすさも向上しているようだ。

加えて水上での快適性を高める機能や装備まで追加されているのだから、もはやこの新しいGPに死角はないのでは?

ヤマハ発動機

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