「マリン」と「音楽」のヤマハがコラボ
我々と馴染みの深い水上バイクやボートを手がけるのが『ヤマハ発動機株式会社』で、楽器やオーディオ関連は『ヤマハ株式会社』。
楽器の「ヤマハ」がオートバイを作り、その部門を独立させたのが「ヤマハ発動機」という成り立ちであり現在は別会社ですが、なんとなく同じ「ヤマハブランド」として認識しているひとも多いでしょう。
そしてヤマハはオーディオも手がけているわけですが、ヤマハ発動機のウェーブランナーにはヤマハ製のオーディオが使われていません。「ナゼ?」と思っていたひとも少なくないのでは。
どうやら両ヤマハでも、同じギモンを抱いていたようです。
2025年のFX Cruiser SVHOをはじめとしたウェーブランナーには、ヤマハ製のオーディオがはじめて採用されました。
音質・チューニング・耐久性
すべてをウェーブランナーに最適化
近年は三菱やトヨタといった自動車メーカーにもオーディオの供給を開始し、車載オーディオの分野でも注目を集めるヤマハですが、ウェーブランナーに初採用されたオーディオはマリンのヤマハと音楽のヤマハによる共同開発の専用設計品。
従来の4.5インチから6.5インチにウーファーをサイズアップしてパワフルな重低音を実現しつつ、最適なチューニングを施すことでエンジン音や風切り音などのノイズが多い環境下でもクリアな音質を可能にしています。
IPX6KやIPX 9K、IPX8といった厳しい耐水・防水試験もクリアしていることから、水上という厳しい環境にも耐えうる性能も証明されています。
なおGP/VXシリーズにもヤマハ製の新型オーディオが採用されており、スピーカーのサイズがFXシリーズとは若干異なりますが性能は変わりません。
音量を自動調整する
オートボリューム機能を追加
オーディオの刷新と合わせて追加されたオートボリューム機能は、速度(エンジン回転数)が上昇するにつれて設定した音量から音が大きくなり、速度が低下すると元に戻ります。
設定音量が下限となるため、最初から最大音量にしている場合は効果がありません。
実際に試してみたところ、機能オフの状態では80km/h程度で音楽が風切り音にかき消されてしまいしたが、オンにすると100km/h程度でも音楽が聞こえました(環境により聞こえ方は異ります)。
ディスプレイの表示が
カスタマイズ可能に
オーディオと合わせて大きく変わったのがコネクスト・マルチファンクションディスプレイで、ホーム画面に複数のスタイルが用意され、ユーザーが自由にカスタマイズ可能に。
個人的にはFZRのメーターを模したクラシックデザインのブラック背景がオススメ。
ドライブコントロールのモードに応じて各スタイルのカラーも変更されるため、どの画面でも現在のモードが視覚的にわかりやすいのも特徴。
視認性と操作性にすぐれる7インチのタッチスクリーン式という点は変更ありません。
モダン
スポーツ
クラシック
エコノミー
パフォーマンス/コンフォート
トーイング/カスタム
類い希なる走行性能と
充実装備は継承
250馬力の過給エンジンと安定性にすぐれるFXハルによる走行性能は2025年モデルでも健在。
また新型オーディオは「音楽に包まれる臨場感で、もっと走り続けたくなる」といった音体験を目指して開発されており、まるで前方から音が鳴っているようなチューニングで、後席でもしっかり音を楽しめます。
タンデムでのツーリングがもっと楽しくなりそうです。
ヤマハ発動機とヤマハの
ロゴの違い
ここからはちょっとした雑学を少々。
記事内で両社の音叉マークについて問題を出しましたが、正解は音叉の先端が円に掛かっている方が「ヤマハ発動機」(上写真)。アルファベットの文字もそれぞれ左右対称なデザインになっています。「ヤマハ」はMの中央部分が下に付いていない、などの違いもあります(下写真)。
ちなみに2025年は創立70周年ということで、ヤマハ発動機は27年ぶりに企業ロゴのデザインを変更。
デジタルでの活用を意識した視認性の高い平面デザインが採用されました。
2025 WaveRunner
FX Cruiser SVHO
※価格には法定安全備品類・進水諸経費などを含みます