
ブラスターが復活!?
Blasterというモデルネームは、ベテランライダーやヴィンテージファンなら聞き覚えがあるかもしれません。
1993年にヤマハがリリースした700TZが、海外ではWave Blasterとして販売。コンパクトで軽量な船体とパワフルなエンジンが生み出す運動性や、軽快なハンドリングがもたらすスポーツ性が人気を博したモデルでした。
2026年に登場したJetBlaster PROはその系譜を受け継いでいる、というわけではないそうですが、コンセプトや方向性には多くの類似点が見て取れます。
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2019年に発売されたEXRの後継機にあたるJetBlaster PROですが、最大の特徴といえるのがデッキにポリエステル樹脂を採用していること。
超軽量素材ナノエクセル2を採用したEXRと同等の乾燥質量を実現し、なおかつ製法がSMCからインジェクション成形に変更されたことで造形の自由度が飛躍的に向上。デザイン面や利便性、メンテナンス性に大きく寄与しています。
またハルの全長をEXRよりも短くすることで、より軽快なライディングが可能になりました。
国内には3人乗りのJetBlaster PROを導入。90年代を彷彿とさせる赤・紫・黄色のカラーリング(インペリアルレッド/ナイトシェード)と、現代的なアズールブルー/イエローの2色展開。
デッキ素材を樹脂に変更して成形の自由度が高まったことで、独自の外観を実現
ハンドル下の空洞やフロント部分のシャープなデザインは、JetBlasterを象徴するアイコニックなディテールといえます
シルバーのグリップエンドやボディと同色に塗装されたボルトが、エントリーモデルながら高級感を演出
フットデッキにはマットがなく、船体の成形で滑り止めの凹凸を実現
前・中・後の三分割のデッキ構造を採用しており、大がかりな修理やメンテナンスはミドルデッキをガバッと外すことで整備性が向上
プラグやバッテリー、燃料タンク、ヒューズ類などのデイリーメンテナンスはシート下もしくは船体横のアクセスパネルから可能
1993 MJ-700TZ(Wave Blaster)|●全長2430×全幅880×全高910mm ●乾燥質量149kg ●最大出力63ps ●定員2名
2017 MJ-EXR|●全長3140×全幅1130×全高1150mm ● 乾燥質量245kg ●最大出力110ps ●定員3名
エンジンはEXRと同じ110馬力を発生する3気筒のTR-1 HOを採用
ハルには従来と変わらずFRPを採用。ボディ全体を樹脂にすることも考えたそうですが、強度などを考慮して現状はこの組み合わせが最適解だとか
ハル形状は基本的にEXRを踏襲していますが、全長を115mm短くすることでさらなるファンライドが可能に。チャイン形状の見直しで旋回姿勢もより安定しました
抜群のハンドリング性能がもらたす
軽快感はウェーブランナーで随一

実際に乗ってみると、まず圧倒的な軽さに驚かされました。
船体の重量的な軽さはもちろんですが、ハンドルを切った際の応答性も含めてとにかく軽快。
「ハンドリングには自信がある」という開発メンバーの言葉どおり、ハンドル操作と艇の挙動にラグがなく、ライダーの意思をダイレクトに反映するため一体感がありストレスフリー。
純粋に操ること・乗ることを楽しめるモデルといえるでしょう。
可動域が拡張された電動トリムにより、ノーズを大きく上げるテールスタンドライドや様々なアクションも可能に。

船体後方のフットチョックスは足が置きやすい角度で設置され、滑り止めのマットも用意
電動トリムは通常モデルより可動域が拡張されており(最大角度25.5度)、トリムを一番上に設定してフットチョックスに足を置き、重心をうしろ荷重にすれば自然にノーズが上がってきます
ハンドルはバーが露出したスポーティなデザインで、ポジションはテールスタンド時を加味したやや高めの設定。ハンドルポストにはロープフックも装備しています
近年のシッティングタイプは安定性にすぐれたクルージングモデルが主流ですが、それとはまったく異なる魅力を持ち合わせています。
それこそ軽快感とハンドリング性能にすぐれた700TZを彷彿とさせるスポーツ性といえるかもしれません。
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ラインアップのなかではエントリーモデルに位置づけられるJetBlaster PROですが、前述のとおり運動性は申し分なく、スポーツ走行を楽しみたいひとやベテランライダーも満足できるはず。
それでいて全長が短くなった分の安定性を補うために足回りを見直すなど、走行時の快適性も高められており、幅広いひとが楽しめる仕上がりとなっています。
船体後部にはスポンソンではなくボディスタビライザーを新設。前者は旋回時に水を掴むことでコーナリングを助ける役割ですが、後者は走行・静止安定性を高めるのが目的
横から見たフォルムはスポンソンとそれほど変わりませんが、うしろから見ると幅広でフラットな独特の形状がよくわかります
ライドプレートも安定性を高める形状変更が施されており、インテークゲートは樹脂製に。インペラも変更され、EXRとくらべて低中速の加速が大きく向上しました
デッキの一新に伴い、ライディングポジションも見直し。シート幅はEXRとくらべて約50mm狭くなり、ニーグリップしやすい形状に
フットデッキは約40mm深く、幅も広くなったことでゆったり乗れるようになりました
4.3インチのコネクスト・マルチファンクションディスプレイはJetBlaster専用のGUIが採用され、ドライブコントロールやエンジンロックなどの機能も搭載。深さのあるグローブボックスも用意されています
片足が掛けられるコンパクトサイズのリボーディングステップを右舷側に装備。実際に使って水からデッキに上がりましたが、大柄なひとでも乗り込みがラクラク
リアデッキのリボーディンググリップを併用することで再乗艇がさらに容易に。リアデッキのマットには、モデル名が大きくデザインされています
2026 YAMAHA WaveRunner
JetBlaster PRO
メーカー希望小売価格 225万4505円(税込)
※法定安全備品類等の価格を含みます
インペリアルレッド/ナイトシェード
アズールブルー/ルナイエロー
●全長×全幅×全高:3000×1140×1180mm ●乾燥質量:247kg ●燃料タンク容量:50L ●エンジン:水冷4ストローク3気筒 ●排気量:1049cc ●吸気方式:自然吸気 ●呼称最大馬力:80.9kW(110PS)/8000rpm ●燃料:無鉛レギュラーガソリン ●シフト:RiDE(電動) ●定員:3名
ヤマハ発動機
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/