水辺の安全、事故ゼロのための活動を軸に、水上バイクでの地域貢献を目指すシーバードジャパンは、2021年11月から「シーバードJAPAN Jetカレッジ2021」(以下、カレッジ)を、札幌、広島、熊本の3会場で開催。シーバード隊員を対象に、水辺の安全にかかわる勉強会として位置づけ、海上保安庁の協力のもとに、2日間のプログラムが組まれました。
全国32拠点66名の参加者それぞれが、レジャーにかかわる立場や環境が異なることを認識し、水上バイクを用いた水辺の安全への貢献、ひいてはこの海を次世代につなげていくための課題などが共有されました。
- 東日本大会:11月4日(木)、5日(金)ホテル日航札幌
13拠点30名 - 西日本大会:11月18日(木)、19日(金)ホテルグランヴィア広島
9拠点16名 - 九州大会:12月2日(木)、3日(金)ホテル日航熊本
10拠点20名
シーバードJAPAN Jetカレッジ
1日目
- シーバード2021報告/2022方針:シーバードジャパン代表 竹長 潤
ボートショー(横浜ベイサイドマリーナ)や五輪セーリング競技警備への協力、シーバードデイ、次世代人財育成の実績報告を踏まえ、2022年度の方針として、人財育成のプログラム強化、シーバードデイの54拠点同日開催、広報活動の充実を発表しました。
- 基調講演 海への誘い~子どもたちとのコミュニケーション:長崎真友子
「水辺での安全」の入り口として、「海への誘い~子どもたちとのコミュニケーション」をテーマに、海岸などで初対面の子供たちや保護者とのコミュニケーションの取り方や伝えるための発声訓練、スマホを用いて参加隊員がお互いの自己紹介を撮影し、改善点を理解するなど実技を交えての講義が行われました。
- 拠点活動報告 3拠点
東日本大会:小樽/釜石/富津
西日本大会:びわこワニ浜/あわじ/さめうら
九州大会:あしきた/一ッ葉/かごしまiso
各大会で3拠点からシーバード活動の報告、安全や事故ゼロのための工夫や課題が発表されました。
- パネルディスカッション 『水辺と海の安心・安全〜事故ゼロを目指して』
◆3会場共通
福本拓也課長(海上保安庁交通部安全対策課)/杉浦琴乃(ミス日本海の日2016)
●東日本大会
藤崎達也(札幌国際大学観光学部准教授)/加藤智美(シーバード葉山)
●西日本大会
沖田勇三(広島セーリング連盟理事)/新名文博(シーバードコバルト)
●九州大会
渡邉由梨(熊本県立あしきた青少年の家)/田原幸佑(シーバード新宮)
●パネリストの皆さま
本カレッジの主題である『水辺と海の安心・安全〜事故ゼロを目指して』に沿って、海上保安庁交通部安全対策課(福本拓也課長)、地域で野外活動関係者、シーバード拠点代表、マリンレジャー愛好者の4者での意見が交わされました。はじめに福本様から海での事故の現状と水辺での事故予防、初動救助に水上バイクが有効であることの認識し、シーバードの活動の重要性などが話されました。つづいて、野外活動関係者、シーバード拠点代表、マリンレジャー愛好者から、それぞれの取組が発表され、相互に水辺の安心、安全に向けた課題を理解しました。
2日目
- 海上安全指導員に関する説明
海上保安庁交通部安全対策課 福本拓也 課長/間端啓文 海難防止対策官
海上保安庁からは、コロナ禍によるアウトドアレジャーへの関心の高まりもあって、ボートに限らずSUP等の事故も増加傾向にあること、それらの事故状況と原因などが紹介され、水際で活動するシーバード拠点の活動に期待することが話されました。海上安全指導員の資格所有者は全国で約1500名ですが、高齢化、マンネリ化などがあげられ、事故予防のために、現状の課題改善のために海上安全指導員を指定できる新たな仕組みづくりに取組んでいること、そのひとつにシーバードジャパンが候補にあることが発表されました。
- 安全指導実技研修
各管区海上保安本部(第一管区/第六管区/第十管区)
海上安全指導員として、水上で遭遇したボートや水上バイクユーザーへの話しかけ方から、安全啓発を理解し、実践まで導くための対話方法を、保安本部職員の方が、指導員とユーザー役になって実演し、シーバード隊員も指導員役として模擬体験しました。
- 曳航救助機材実技研修
海上保安庁交通部安全対策課 伊藤裕樹 人身事故対策係長
機関故障や何らかの原因で航行不能になった水上バイクを曳航するために新たに開発された機器が紹介されました。作業のために水に入る必要が無く、多少の風波がある海況でも、曳航される水上バイクが左右に振られたり転覆することなく、安定した姿勢で曳航できるようになっています。実技研修では曳航されるものに見立てたインフレータブルボートを取り囲んだ隊員も熱心に説明に聞き入っていました。(本機は海上保安庁が特許を取得しています)