水上バイクの個人売買で気をつけたい、移転登録や安全のための遵守事項

インターネットの個人売買で水上バイクを取引すると、名義変更や船検、安全のための義務など、さまざまな知識が欠落してしまうことがあります。法令を遵守し、安全に水上バイクを楽しむためのヒントを紹介しましょう。

水上バイクには、船検と登録が必要

インターネットオークションなど、個人売買で水上バイクを買った人のなかには、船舶検査の存在や名義変更の必要性を知らない人もいるようですが、クルマに車検や名義変更が必要なのと同じように、水上バイクも船舶検査を受けて合格し、名義を変更する必要があります。なお、登録原簿の所有者(旧所有者)が不明な場合は、日本小型船舶検査機構(JCI)に「登録事項証明書」の交付を請求し、確認できます(要手数料)。違反すると罰則の対象となります。

  • 船舶検査を受けないで航行すると……
    1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 名義変更をしないと……
    30万円以下の罰金

水上バイクの登録や検査、救命胴衣の着用義務について解説した記事はこちら

水上バイク個人売買の注意点│船検と登録が必要です!!

水上バイクを安全に利用するため、
船長の遵守事項が定められています

水上バイクを安全に利用するため船長に対し、いくつかの遵守事項が法令で定められています。

  1. 酒酔い等操縦の禁止
  2. 危険操縦の禁止
  3. 免許者の自己操縦
  4. 救命胴衣の着用
  5. 見張りの実施
  6. 発航前の検査
  7. 事故時の人命救助

これらの遵守事項に違反した場合、次の表のとおり違反点数が加算されます。

過去1年以内の累積違反点数が基準に達すると、業務停止の行政処分が課されます

上記遵守事項のうち①~③、⑤⑦については、説明がなくても内容を理解できると思います。④救命胴衣の着用に関しては、浮力があればなんでも良いわけではなく、国が定める基準に適合したものを着用する必要があります。詳しくは、上部のリンク記事でご確認ください。

さらに⑥発航前の検査義務について、どのような検査が必要なのか以下に補足します。

水上バイクの発航前検査リスト(推奨)

  • 船体外部
    船底やガンネルに損傷がないか?│ドレンプラグのパッキンに劣化がないか?確実に締まっているか?│エンジンフード、シートなどのパッキンに劣化がないか?ハッチは確実にロックできるか?│吸水口およびノズル内部に異物が詰まっていないか?
  • 船体内部
    クラックなどがないか?│ビルジが溜まってないか?│シート、ハッチを開けて換気をおこなったか?
  • 機関
    エンジンに影響のあるサビや破損はないか?│ホースやクランプに緩み、割れや曲がりがないか?│始動後、冷却水出口から水が出ているか?
  • 燃料タンク
    燃料は十分に入っているか?漏れがないか?│燃料キャップのゴムガスケット、Oリングにひび割れなどがないか?│燃料フィルターにゴミや水がないか?│固定用「ゴムバンド」「ストラップ」に劣化がないか?│燃料系が正常に作動しているか?
  • オイルタンク
    オイルは十分に入っているか?漏れはないか?│オイルは汚れていないか?(4ストローク)
  • バッテリー
    液量、電圧およびターミナル端子の接続は適切か?│ターミナル端子にサビがないか?│開放式は、水素ガス排出ホースがつけられているか?
  • インペラ
    欠けや曲がりがないか?
  • ポンプ・ノズル・ドライブシャフト・カップリングダンパ
    ゴミなどの異物がないか?
  • ステアリング
    ハンドルとノズルは、左右適正に連動しているか?│ハンドルポール取付部のボルトに緩みやスプリングにサビがないか?(スタンディングタイプ)│ケーブルに緩みがないか?
  • スロットルレバー・スタートボタン・ストップボタン・キルスイッチ・リバースシフト
    正常に作動しているか?
  • 設備・表示
    救命胴衣に生地の破れ、ファスナー、バックルの破損、浮力材の偏りなど異常がないか?│小型船舶用信号紅炎の有効期限が切れていないか?│笛は「各救命胴衣または船体」にあるか?│検査済票番号などは、船外から見やすい位置に表示されているか?│各表示が剥がれていないか?

上記の内容は、日本小型船舶検査機構(JCI)が作成した水上バイクの『メンテンナスガイド』から抜粋してまとめたものです。

このメンテナンスガイドには発航前の検査項目だけでなく、帰港後や定期的におこなう点検整備の項目も記載されています。水上バイクを楽しむうえで、必ず役立つ内容となっていますので、リンクから確認しておきましょう。

メンテナンスガイド~安全につながる身近な「点検・整備」PWC(水上オートバイ)


記事作成協力:日本小型船舶検査機構(JCI)

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