マリンスポーツ専門誌の編集長やマリンに関心を持つジャーナリズム関係者や有志の集まりであるマリンジャーナリスト会議(MJC)が、2022年のマリン10大ニュースを選定し、発表しました。
2022年マリン10大ニュース
1位
太平洋ひとりぼっち。堀江謙一さん、史上最高齢で単独無寄港太平洋横断達成
ヨットで単独無寄港の太平洋横断を目指し、3月26日にアメリカ・サンフランシスコを出航した海洋冒険家・堀江謙一さん(83)が6月4日未明、約8500キロ、69日間の航海を経て、紀伊水道に設定したゴールに到着した。単独無寄港世界一周、 足こぎボートによるハワイ・沖縄間航海などに挑戦し、成功を遂げた堀江さんにとって、世界最高齢での記録達成。堀江さんは「生涯チャレンジャーでいたい」と既に次の航海を見据え、「今が青春の真っただ中。大器晩成を目指して頑張ります」と語った。2位
知床半島の観光船が沈没、乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明
4月23日に北海道知床半島の観光船〈KAZU1(カズワン)〉が、斜里町の知床半島西海岸沖で消息を絶ち、船内浸水後に沈没した。乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明なった。事故当日、現地では3時9分に強風注意報(風速15.0 m/s以上)、9時42分に波浪注意報(波高2〜2.5 m)が発表されていた。発航以前の時点で運航基準に基づく発航を中止すべき条件に達するおそれがあった旅客船事業に対する国の監督強化や、海上保安庁による救難体制強化のきっかけとなった。3位
石原慎太郎氏が死去、89歳
元東京都知事で、運輸相、旧日本維新の会共同代表などを務めた石原慎太郎元衆院議員が2月1日、死去した。89歳だった。一橋大法卒。在学中の1956年、若者の無軌道な生き方を描いた「太陽の季節」で芥川賞を受賞。その後、保守の立場からの評論活動を展開するとともに、国会議員、都知事としても活躍し、2015年に旭日大綬章を受章した。海を愛し、ヨットを愛した愛好家としても知られ、NORC(日本外洋帆走協会)会長等を歴任。日本での本格的なオフショアレースの開催にも尽力した。4位
スズキがマイクロプラスチック回収可の船外機を生産開始
スズキは7月22日、マイクロプラスチックを回収できる装置を搭載した船外機の生産を始めたと発表した。北米や欧州など船舶用エンジンの主要市場をはじめ全世界へ順次出荷する。ボートで走るだけで水面付近のマイクロプラスチックを回収できる仕組みで、同社によれば世界で初めての装置だ。標準搭載とすることで装置の普及を後押しし、環境問題対策につなげる。5位
警視庁が飲酒水上バイクを初摘発。都水上安全条例違反
酒を飲んで水上バイクを操縦したとして、警視庁大井署は6日、東京都水上安全条例違反の疑いで、千葉県八千代市の会社役員の男(44)を書類送検した。道交法と同様に酒気帯び状態で小型船舶を操縦することを禁じる水上安全条例は平成30年7月に施行されたが、大井署によると水上バイクの酒気帯びの摘発は初めてだという。6位
遠藤エミがボートレース史上初の女子SG制覇
第57回SGクラシックで、優勝戦1枠の遠藤エミ(34=滋賀)がSG初制覇を果たした。ボートレースは男女が同じ土俵で戦える希少な競技だが、ボートレースの約70年の歴史で、女子選手が最高峰グレードの大会を制したのは初めて。人気女子レーサーの快挙は、売り上げ右肩上がりのボート界がさらに活性化する大きなニュースとなった。7位
26.2mの巨大波に乗った! サーフィンギネス記録
高さ86フィート(約26.2メートル)の波に乗った記録が、5月24日ギネスワールドレコードに認定された。記録はドイツ人サーファーのセバスチャン・スチュードナー選手が、2020年10月、ポルトガル・ナザレのプライア・ド・ノルテビーチで、26.21 mの波に乗ることに成功したもの。この瞬間を紹介したギネスワールドレコード公式YouTubeチャンネルの映像には「凄い記録に凄い映像だな!」「めちゃくちゃクールだ」「クレイジーだよ」と衝撃の声が寄せられた。8位
横浜/ハンマーヘッドで「新港8号ビジターバース」の供用開始
かつて横浜港の荷役の中心を担い、現在は国際客船ターミナル(新港ふ頭客船ターミナル)を中心に、ショップ&レストランといった商業施設、ラグジュアリ―リゾートなどの複合施設として注目される「横浜ハンマーヘッド」に隣接して、プレジャーボートも一時係留が可能な「新港8号ビジターバース」の供用が4月1日よりスタートした。ビジターバースの桟橋の長さは全長115メートル。小型プレジャーボートはもちろん、スーパーヨット、メガヨットの係留も可能。9位
ネット時代にeSailingも公式競技に。認知が進む
ここ数年で急速に人気が高まっているeセーリング。「バーチャルレガッタ」というアプリを使って、いつでもどこでも、オンラインで世界中のeセーラーと対戦できる。World Sailing(国際セーリング連盟)が世界選手権を主催し、日本セーリング連盟には「仮想セーリング競技(ゲームを含む)の健全なおよび、普及、並びに現実に行われるセーリング競技とのシナジーの実現を図る」ことを目的としたeSailing委員会が設置されており、10月3日から開催された世界選手権に選手を選考し派遣している。また3月には初となるeセーリング版インカレである学生No.1決定戦が開催されるなど注目されている。10位
⽇本Sail GPチーム、離脱・解散を発表
2019年から参加6か国、全5大会で始まったSail GPは、新型コロナウイルスのパンデミックによる中断時期を経て、シーズン2は参加8か国全8大会、シーズン3は参加10か国全11大会と拡大。リーグが新しい会場、チームを追加し、世界的にファン、視聴者が拡大する中、各国チームはリーグから経済的自立を求められてきたが、経済的支援がなかった(スポンサー不在)であった日本チームは、活動の継続を断念。最終戦まで2位をキープした強豪チームにもかかわらず、離脱・解散することが決定した。
※MJC公式サイトから転載
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