2026年9月23日午前5時、一般社団法人ウォーターリスクマネジメント協会(WRMA)は、愛知県田原市の赤羽根漁港スロープに集合していました。
この日は、アジア競技大会のサーフィン競技におけるウォーターパトロール(大会安全管理)の任務にあたるため、早朝から準備を進めていました。
しかし、集合したWRMAの今西理事長が漁港周辺の異変に気付きます。
同じ時間帯、赤羽根漁港の突堤付近には、地元消防・救急隊、警察などの多数の緊急車両が集まっていました。
水難事故が発生したことを把握したWRMAは、予定していた大会準備を直ちに中断。救助活動を優先し、レスキュー用の水上バイクをスロープから海へ下ろし、WRMAの今西理事長と長沢理事が捜索を開始しました。
沖へ流された釣り人を捜索
事故は、突堤付近から釣り人が海へ落水し、その後、沖へ向かって流されているというものでした。
現場で得られた情報をもとに、WRMAは要救助者が漂流している可能性のある方向へ水上バイクを走らせ、捜索を続けます。
そして、捜索開始からわずか約3分。沖合約1kmの地点で、海面に漂うクーラーボックスと、そのわずかな浮力につかまりながら顔だけを海面に出している要救助者を発見しました。
発見後は直ちに接近し、数十秒という短時間で要救助者を水上バイクにピックアップしました。
救助後、約5分で漁港スロープへ搬送
要救助者を救助したWRMAは消防指揮隊へ連絡し、水上バイクで漁港内のスロープまで搬送することを伝達。同時に、救急車両をスロープへ回すよう要請しました。
その後、要救助者を乗せた水上バイクは漁港へ向かい、約5分でスロープへの搬送を完了。待機していた消防・救急隊へ要救助者を引き継ぎ、医療的なチェックと処置が行われました。
救助関係者によると、要救助者はすでに低体温症を発症していた可能性があり、発見・救助がさらに1~2分遅れていれば、より深刻な事態につながっていた可能性もあったといいます。
「水上バイクだからこそ」
生かされた機動力
今回の救助では、海上を素早く移動でき、要救助者の近くまで直接接近できる水上バイクの機動力が、迅速な捜索・救助に生かされました。
要救助者は陸地から沖合約1kmまで流されており、一刻を争う状況でした。
こうした水難事故では、要救助者を発見するまでの時間はもちろん、発見後に救助し、安全な場所まで搬送する時間も重要になります。
今回は、捜索開始から約3分で要救助者を発見。その後、数十秒で水上バイクにピックアップし、約5分で漁港スロープまで搬送しました。
水上バイクのスピードと機動力に専門的なレスキュースキルが組み合わされたことで、迅速な救助活動につながりました。
救助を終え、本来のウォーターパトロール任務へ
WRMAは、水上での事故や災害に備えたレスキュー活動をはじめ、スポーツ大会などでのウォーターパトロールを通じて、水上の安全管理に取り組んでいます。
今回も事故の発生を把握すると、大会準備から救助活動へ即座に切り替え、捜索、救助、搬送、消防・救急隊への引き継ぎまでを迅速に実施しました。
そして救助活動を終えたWRMAは、再び本来の任務であるアジア競技大会のウォーターパトロールへ戻りました。
一刻を争う水難救助の現場で、水上バイクの機動力と専門的なレスキュースキルが迅速な人命救助につながった事例となりました。
一般社団法人ウォーターリスクマネジメント協会(WRMA)
https://pwcr-wrma.org/