K38 JAPANコラム「HOT WATER SAFETY」vol.112|2年目の夏

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K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


緊急事態宣言の発令にともない、人が集まるイベント施設や海岸などにも様々な規制がかかっていることから、今年も夏を手放しで楽しめない状況になってしまいました。

国や自治体からは不要不急の外出や移動を控えるようにといった協力要請もでているので、罰則がないとはいえ気軽に海に行くこともはばかられる状況といえます。

そしてコロナ禍2年目となる今年も、多くの地域で海水浴場の開設が見送られたり、中止されたりしましたが、それにともない安全確保の課題も見えてきているようです。

まず「不開設」であることが告知不足などできちんと伝わっていない海水浴場の場合、知らずに来てしまった海水浴客が「せっかく来たから」と安易な気持ちで泳いでしまうこと。

海水浴場が不開設の場合、海水浴客の遊泳エリアと小型船などの航行エリアがブイで区切られていません。ライフセーバーなどの安全管理者も不在ですから、自己責任で安全を確保しなければなりません。

逆に海側から見てみると、仕切りブイの設置がなく監視員もいないため、いつもは近づけない砂浜にも容易に接近できてしまいます。

ルールやマナーを守る、良識ある水上バイクユーザーなら問題にはならないかもしれませんが、不開設の海水浴場で遊泳者のあいだを縫って航行するような危険行為が大きな話題となったのも事実。

砂浜に接近できるからといって遊泳者などの近くを高速で通過したり、急旋回やジグザグ走行をすることは「小型船舶の船長の遵守事項」における「危険操縦の禁止」にあたり、処罰の対象となります。

また水上バイク同士が水を掛け合う行為も、遊泳者の近くでおこなうと前述の「危険操縦の禁止」や「適切な見張りの実施」を怠ったとして違法行為となる可能性があります。

水上バイクの船長である操縦者は、遊泳者や非動力船がいる、もしくはいそうなエリアでは最徐行で航行し、かならず見張りを徹底してください。

自分では安全に航行しているつもりでも、周囲で水遊びをしているひとや目撃したひとが危険だと判断したら、実際よりひどく偏った(誇張した)通報をされるかもしれません。水上バイクの危険行為が大きく報じられたこともあり、今は過敏に反応するひとも少なくないでしょう。

誤解を招かないように十分な距離を取り、たとえ不開設でも海水浴場には近づかないのが吉。これまで以上にルールやマナーを遵守して、無用なトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

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