K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上オートバイによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、あらゆる面で人々の行動が制限されているなか、みなさんはどのようにお過ごしでしょうか。
密を避けるために、屋内ではなく水辺でのアウトドアに出かけることが例年より多くなっているひとも、なかにはいるかもしれません。
さて、K38 JAPANでは北海道のとある高校において、日本海洋レジャー安全・振興協会(海レ協)とともに水上バイクの安全運航教育に関する授業と、体験乗船会を毎年開催しています。
午前中に安全運航についての座学を2時間おこなうのですが、授業を受ける高校生に水上バイクのイメージを聞いてみると、大半が「夏の海で気持ちよさそうにスピードを出して、水面で遊ぶノリモノ」と答えます。
水上バイクが小型船舶の安全を守るために使われていることを真っ先に考えるひとは、それほど多くないのが現状でしょう。
遊びのノリモノから安全を守るノリモノへ結びつけるために、2時間の座学では小型船舶の安全を守るための運航や、船長責任とシーマンシップについて、インストラクターがアドバイスしながら学生が自分で考えて学べる機会を作っています。
その座学が終わると、海レ協の指導による水上バイクの体験乗船が実施されます。
水上バイクを使用した授業そのものがレアケースだと思いますが、マリンスポーツのアクティビティとしてではなく、小型船舶の安全運航教育というカタチで水上バイクを取り入れていただけることは、とても貴重な機会といえます。
若い世代に安全運航について考えてもらうと同時に、水上オートバイが社会的理解を得るきっかけになるかもしれませんからね。
日本国内でも消防や警察などの公的機関が、水上バイクを公務に利用することも増えているなかで、若い世代にもっと小型船舶の安全運航について学んでもらう環境を増やしていければ、いずれ彼らが免許を取得して小型船舶の船長となったときに、船舶の事故が減少していくかもしれません。
さらにシーマンシップ精神をより多くのひとに知ってもらう、良いきっかけになることも期待できますね。