K38 JAPANコラム「HOT WATER SAFETY」vol.114|水上バイクを正しく使う

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K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


兵庫県明石市における危険走行で世間を騒がせ、対策を検討している矢先に同じ兵庫県の淡路島で3人の若い方々がテトラポットに激突して命を落とす痛ましい事故が発生。

茨城県の河川でも集団での暴走行為が取り沙汰されるなど、今年の夏は水上バイク関連のネガティブなニュースが大きく報じられました。

そして水上バイクではありませんが、福島県の猪苗代湖ではクルーザーが4人を巻き込み、犯人が逮捕されたことも大きな話題に。

これらのことを受けて、水上バイクに悪い印象を持っていた(過去に何らかのトラブルが起きていた)各自治体では走行の禁止やゾーニング、条例やローカルルールの制定など、対策が進んでいくことでしょう。

一方、コロナ禍でありながら盛況のうちに終了したTOKYO 2020オリンピックでは、セーリングやサーフィン、トライアスロンといった各競技の海上警備や救助、管理業務などで水上バイクが活躍。

セーリング競技ではマリンシーズン真っ只中の江ノ島、逗子、葉山といった広大な海域にコースが設置されましたが、時節柄、遊走や観戦を目的に多数の小型船舶が侵入してくる恐れがあったため、水上バイクの機動性がうってつけの状況でした。

サーフィン競技ではビーチに近く、波が発生する場所での警戒や救助業務になるため、波間や浅瀬での走行を得意とする水上バイクの特性が活かされました。

そしてトライアスロン競技では、プロペラが外部に露出していないため選手に近づくことが可能。

船尾にボードを装着することで、有事の際は素早く搬送できるといったメリットがあります。

そうした水上バイクならではの特性と操縦者の適切な活動により、オリンピック競技会では水上バイクの有効性があらためて実証されたといえるでしょう。

我々K38 JAPANは水上バイクの公的利用における安全運行教育を実践していますが、オリンピックのような場所では操縦者の技量のみならず、正しい知識や取り扱い、心構えと意識の持ち方が重要になります。

そして「水上バイクを正しく使う」という意味では、一般ユーザーのみなさんにも同じことが言えるでしょう。

水上バイクというノリモノの印象を左右するのは、良くも悪くも乗り手のみなさんです。

今は「危険で迷惑なノリモノ」と多くのひとが思っているでしょう。しかし各地のマリンスポーツ競技会や災害時には、同じ水上バイクというノリモノが人々のために活躍しています。

水上の安全を第一に考えて適切に行動できる「ゴールドライダー」が増えれば、周囲の見方もきっと変わってくるはずです。

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