生駒 淳の国内レース参戦記#01|2020 JJSF&セレクションレース第1・2戦
2020 JJSF全日本選手権シリーズ |
第5戦&6戦 |
WORLD CUPセレクションレース | 第3戦&4戦 |
愛知県蒲郡市 ラグーナ蒲郡 | 2020年9月12日~13日 |
2020年9月10日(木)
あっという間に国内シリーズも大詰め
JJSFとセレクションレースもいよいよ最終戦。
ともにシリーズチャンピオンが掛かった戦いになるわけですが、そんな大一番で、セレクションレースにフランスのEasy Riderが手がけたコンプリートマシンを投入。
急遽決まったこともあり、大急ぎで空輸の手配をして、到着したら返す刀で競技艇登録。色々なひとが尽力してくれたおかげで、なんとかレースに間に合いました。
力を貸してくれたみなさん、本当にありがとうございました。
晴れてレースで使えるマシンになったわけですが、エンジンの寿命は限られているので、ぶっつけ本番で挑むことに。ちなみにJJSFは、これまでと同じくFXで参戦します。
ということで、いつもなら週末のレースに向けて金曜日の早朝に出発するのですが、今回は木曜日に家を出て、レース会場近くのホテル明山荘に前泊。
露天風呂付きの部屋もあるし、バイキングには思わず食べ過ぎてしまうほど美味しい海鮮がてんこもり。
何よりうれしいのは、4トンのトラックで2艇積トレーラーをけん引していても駐車できること。長さが15メートル近くあるのですが、余裕で停められたので水上バイクユーザーのみなさんにもオススメ。
今ならGo Toトラベルキャンペーンでおトクに宿泊できますしね(笑)。
金曜日はいつも慌ただしく、寝る暇もないのですが、今回は前泊でのんびりできました。たまにはこんなのもいいですね。
2020年9月11日(金)
Easy Rider製RXP-Xの実力やいかに
朝ご飯を食べてチェックアウトしたら、すぐ近くのレース会場へ。
会場ではいつも駐車場の一番奥に陣取っているのですが、今回も定位置が取れたのでそこで準備開始です。
まずはトラックから荷物を出してスペースを作ったら、トラック内にテーブルや椅子を並べ、エアコンを効かせて快適空間を作ります。
それが終わったらマシンをトレーラーからランチャーに乗せ換え、ウェットに着替えて準備完了。
ライダーズミーティングまでにトラックの中で昼食です。電子レンジも使えるし、お湯も沸かせるので、暖かいご飯が快適に食べられます。
その後ライダーズミーティングと受付を済ませて、プラクティスランが開始。
今回はぶっつけ本番でEasy RiderのRXP-Xを投入したので、まずはどんな感じでブイを曲がるのか、感覚をつかむところからスタート。
軽く暖機運転をしてからコースを回ってみたのですが、自分が思っていた以上に大変なマシンでした。
4年前まではずっとRXP-Xに乗っていたわけですし、RXP-Xに乗れば世界一速く走れると思っていたのですが、現実は全然違いました。
今思うとヤマハは跳ねづらくて、特にFXシリーズはまったくと言っていいほど跳ねないので、波のなかではものすごくラク。何も考えずに走れたんですよね。
その一方、ひさしぶりに乗ったRXP-Xはものすごく跳ねるイメージでした(笑)。
それと最近は、ほぼノーマルのFXでレースに出ていたので、ストローカーエンジンで下からガツガツ来るスーパーチャージャー艇には4年以上乗っていませんでした。
このブランクが、自分が思っていた以上に大きかった……。
正直なところ、まったく乗れる気がしませんでした。プラクティスランのあいだに感覚を掴むというか、思いだすことはできず。
ひとつわかったことは、短時間で乗りこなせるようなマシンではないということだけ。さて、どうしましょう。
2020年9月12日(土)
思いどおりにならないマシンで、悔しさだけが残る結果に
今日からレースがスタート。この日はJJSF第5戦とセレクションレースの第3戦で、まずはJJSFのヒート1から。
グリッドが自分では選べないシステムになっていて、自分はアウトの一番外側。個人的には1番好きな場所です。
そしてスタートと同時に飛びだしましたが、蒲郡のレース海面は、午前中はいつも波が無くベタベタなので、速いマシンに毎回やられてしまいます。
今回もやはりアウトの2番で、合流は4位でした。その後何とか2台抜いて2位まで上がれましたが、その先には届かず。そのまま2位でチェッカーを受けました。
続いてセレクションレースのヒート1は、くじ引きで3番目にグリッドが選べたので、インの2番目をチョイス。スタートのタイミングはバッチリでインコースの1番、合流も1位でホールショットでした。
しかしその後はエアーフラップの使い方がわからず、次第に握力も無くなっていき、どういう風に乗ればいいのか感覚も掴めないまま2台抜かれて、3位でゴール。
これは中々悔しい結果でした。
午後におこなわれたJJSFのヒート2は、インコースの一番イン側からスタート。インコースのホールショットでしたが、合流でアウトから来たマシンに先を越されました。
しかし「あのスピードと距離では合流後のブイを曲がり切れないはず」と思い諦めずに隙をうかがっていたら、狙いどおりにオーバーランしたのですかさずインを付いてパス。ホームストレートを1位で通過できました。
途中、折り返しの2点ブイに接触したのですが、ブイは自分よりイン側に出たのが見えたので、イレイザーブイは回らずにそのまま1位でゴール。
ところが、ゴール後のインスペクションで自分の名前が呼ばれません。確認すると、2点ブイのあいだを通過したため、ミスブイで1周減だとか。
もちろん抗議しましたが、競技である以上、審判の言うことは絶対です。自分のGoProでも確認しましたが、ブイの真ん中を通過していませんでした。しかし、そう見えたらダメだと言われ、抗議しても結果は覆らず。
この瞬間、自分のシリーズチャンピオンの可能性は消滅。翌日走ってシリーズ2位になるか、走らず3位になるか。選択肢はこのふたつだけが残りました。
セレクションレースのヒート2は、スタートグリッドがインの2番目。インのインは砂盃さんで、自分のマシンの速さを知るため隣に並んでみました。
スタートと同時に飛びだし、砂盃さんより前に出られたのですが、レッドフラッグでやり直し。2回目は全然出られず、合流は3位。
しかしその後もマシンを乗りこなすことができず、1台抜かれて4位でゴールとなり、この日のレースは終了となりました。
2020年9月13日(日)
何から何まで「2」が並んだ2020年のシリーズ戦
今日のJJSF第6戦は、出なくても年間ランキング3位、優勝すれば2位という状況。
どちらにするかひと晩考えましたが、やはり「3位で良いや~」とはならなかったですね(笑)。
出られるなら出たい。出たからには勝ちたい!! 優勝したい!! と思うのが、レーサーならアタリマエですよね?
そんなわけで、まずはJJSFのヒート1から。アウトコースの一番イン側からのスタートです。
スタートタイミングも決まりアウトコースのホールショットでしたが、合流はインから来た選手が先行。
しかし3周目でトップの選手がイレイザーブイに行ったので、その隙にパスしてそのまま1位でゴールできました。
続いてセレクションレースのヒート1。くじ運が悪くグリッドはインの4番目でした。
スタートタイミングはバッチリで、インコースの1番!! と思った瞬間、レッドフラッグでやり直し。2回目のスタートはタイミングが合わず、自分がフライングしてしまいました。
その際、自分につられて内側のライダー2人もフライングしてしまい、インコースは3人がバンザイスタートに。
ちなみに世界中のレースでもフライングしたらバンザイさせられるのですが、マシンから降りるのは日本独自のルールだったりします。
そしてバンザイしたままシグナルが青になり、みんながスタートしたころに自分は急いでマシンに乗り込み、エンジンを掛けます。ところがひさしぶりのRXP-Xだったからか、テザーコードがきちんと刺さっていなかったみたいでエンジンがストップ。
そんなことをしていたら、ダントツの最後尾スタートに。乗り慣れていないマシンで、ひき波をくらいながら抜いていくのはなかなかの重労働です。
1周1台ペースで抜いて行き、なんとか3位までは上がれましたが、その先の2台にはまったく追い付けず。3位でフィニッシュでした。
午後のJJSFヒート2もスタートタイミングはバッチリで、インコースの1番で合流も1位。そのまま無事に1位でゴールとなり、この時点でJJSF PRO R/A OPENの年間ランキングは総合2位確定となりました。
セレクションレースのヒート2はインコースの2番目で合流は3位。その後は前に引き離されつつもなんとか順位をキープして、そのまま3位でゴール。
タイで開催されるワールドカップの出場権をかけたセレクションレースは、JJSFと同じく年間2位に。上位4名が出場できるので、こちらは目標達成です(その後ワールドカップ主催者から「出場権がなくてもエントリー可能」と発表がありましたが……)。
その後の年間表彰式では、数あるチームのなかから自分たちがチームランキング2位を受賞。
今シーズンはJJSFもセレクションも、そしてチーム表彰もすべて2位という結果に。
チームメンバーの成績を総括すると、JJSF PRO R/A OPENで自分が2位、白戸裕太郎が4位、愛妻アケが6位。PRO SKI GPでは桜井直樹が5位という結果になりました。
結成2年目でこの結果は、上出来ではないでしょうか。来シーズンはもっともっと上位に行けるように、チーム一丸となって頑張ります。
最後に、今年も応援いただきました読者の皆様、スポンサー各社様、本当にありがとうございました。
コロナ禍のなかでは次戦がどこになるかもわかりませんが、いついかなるレースでも優勝を目指して頑張りますので、応援のほどよろしくお願いいたします。
#1 POUND ONE
#86 生駒 淳