「開発のフィロソフィはスポーツ性」トップが考える『カワサキらしさ』とは|カワサキモータースジャパン桐野英子社長インタビュー【前編】

2021年10月よりカワサキモータースジャパンの社長に就任した桐野英子氏のインタビュー前編は、ジェットスキーとの出会いと桐野氏が考える「カワサキらしさ」についてお話しを伺いました。

ジェットスキーとの出会い

カワサキに入社された際、ジェットスキーはご存じでしたか?

カワサキがジェットスキーを作っているのは知っていましたけど、私にとって身近なものではありませんでしたね。周りに乗っているひともいなかったので「ふ~ん」という感じでした(笑)。

入社されてからジェットスキーと最初に接する機会があったのはいつごろですか?

最初はフランスです。こっち(日本)にいるあいだはオートバイの部門にいましたので、横目で見ているぐらいでした。2001年から2009年のはじめまでフランスの販売会社(カワサキモータースフランス|KMF)にいたんですけど、そこでは二輪、ジェットスキー、四輪とすべてのプロダクツを扱っていましたので。

フランスではどのような形でジェットスキーに携わっていましたか?

フランスでもジェットスキーはなかなか身近な存在にはなれていないというか、世界が狭いなと思いましてね。こんな素晴らしいプロダクツをできるだけ知ってもらいたいというのもあって、KMF の従業員向けに(ジェットスキーの)試乗会を開催しました。

ご自身でイベントを企画されたんですね。

うちのジェットスキーを全部持って行って、どれでも好きなのに乗っていいよと。私有地の池を借りて、免許が無くても乗れるようにしたんですよ。あとは家族も連れてきていいよって形にしたので、お子さん向けには小さい四輪も用意しました。やっぱり良さがわかると、愛情が湧いてきますからね。これだけ素晴らしいモノを(うちの会社は)作っているんだよ、というのをみんなにわかってもらえるような機会を作ったりもしました。

ご自身はジェットスキーに乗られますか?

日本では乗っていません。日本の免許を持っていないんですよ、実は……。フランスの免許は持っているんですけどね。

フランスでは乗られていたんですね。

私、ジェットスキーが大好きなんです(笑)。(フランス時代は)年に何回も乗っていましたし、地中海に乗りに行ったりもしましたね。結構波があるんですけど、無人島とかに朝から出かけていって島に寄ったり、島の周りをグルグルっと回って夕方帰ってくるみたいな遊び方ですね。食べ物とかをたくさん積んで行ってね。

ULTRA 250Xに乗って奮起

2007年にジェットスキー初の過給器搭載モデルとした登場したULTRA 250X。

特別印象に残っているエピソードなどはありますか?

ULTRA 250X が出たときなんですけど、過給器付きということで内燃機関好きの私としては「なんとしても乗ってみたい」となりまして(笑)。それでフランスに来るのを待って待って待って。先にアメリカに行っちゃいますから、船に積んでフランスまで来るのにとても時間が掛かって、いざ届いたら真冬だったんですよね。極寒のなかドライスーツを着て、池に乗りに行きました。それほど広くない池だったので真っ直ぐ走るだけだったんですけど、「こんなすごいモノをうちの会社は作れるんだ、捨てたもんじゃないな」と(笑)。

捨てたもんじゃない、というのは?

実はそのときオートバイの販売があまり調子良くなかったんですけど、うちの会社はこんなに良いモノを作れるんだからまだ頑張ろう!! とそれ(ULTRA)に乗って思ったんです。音といい加速といい、すべてが私のモチベーションアップに繋がりましたね。それと同時に「この(ジェットスキーという)プロダクツは絶対大事にしなきゃいけない」とも思いました。

カワサキらしさとは

ジェットスキーの魅力はどこにあると思われますか?

これは……、やっぱり速いことじゃないですかね(笑)。ご時世的にこれを言っていいのかなと思うんですけれども、やっぱり「加速」「速い」というのがすごく魅力だと個人的には思います。それと「水上」ということでオートバイとはまた違った面白さがありますね。運動性能もすごく高いのでそういう意味では共通した面白さもあるんですけど、乗り方もまったく違うじゃないですか。そのスポーツ性の魅力というのを私は感じています。

ジェットスキーには「カワサキらしさ」に惹かれた根強いファンが多い印象ですが、そのカワサキらしさとは、どういった部分だとお考えですか?

ジェットスキーでもオートバイでも、四輪も含めて当社の開発のフィロソフィというのがありまして、(それを幹として)一本筋は通っているんですけど、おそらく一般的に言えば「スポーツ性」なんだと思います。

スポーツ性といいますと、具体的には。

「速かったら何でもええわ」というのではなく、ちゃんと曲がりますよ、加速もしっかりしますよ、というレースもできるポテンシャルがあって、それでいて違う楽しみ方もできるのが理想です。ただどちらがメインですかというと、たぶんスポーツの部分が芯に通っている。それで(スポーツとその他を)両立できるときはいいんですけど、どちらかを犠牲にしないといけないときには、何を作るときにも当社の場合はスポーツ性を優先させてその他の部分を若干犠牲にする選択をしていますね。

水上バイクやボート、各種マリンスポーツの新鮮情報をお届けする、ホットウォーター公式LINE。雑誌企画『みんなのPWCライフ』への写真投稿もできます。
LINE友だち追加はこちら
いいね! お願いします
広告