K38 JAPANコラム「HOT WATER SAFETY」vol.105|コロナ禍における水辺環境の変化

K38ジャパンコラム


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


新型コロナウィルス(COVID-19)の影響による「外出自粛」や「緊急事態宣言」など、世界中のひとが日常生活に多くを制限を受けています。

窮屈な思いをすることも多々ありますが、そんなストレスを少しでも解消し、なおかつ3密も避けられる屋外レジャーの需要が高まっています。

マリンスポーツも例に漏れず、昨シーズンは例年以上に水辺で遊ぶひとが多かったように感じました。

マリンスポーツ財団が管理する大阪府貝塚市の二色の浜公園は、ご存じのとおり水上バイク専用の施設ですが、利用者からは「街中よりもリスクや不安が少なく楽しめる」という声が多く聞かれました。

感染リスクを避けられる水上バイクなどのマリンスポーツは、コロナ禍の息抜きとして重宝されたようです。

しかしその一方、水辺の利用者が増えたことに比例して、全国各地の水辺ではトラブルも例年に増して発生していました。

2020年は海水浴場を開設しない自治体が多かったこともあり、従来はおこなわれていた安全管理や水域の棲み分けが十分ではありませんでした。

そのため遊泳者とプレジャーボートや水上バイクが接近する危険行為が多く見られたのは、以前にもお伝えしたとおり。

二色の浜公園も海水浴場が隣接していますが、例年は水上バイクなどが接近しないよう、自治体がオイルフェンスを二重に設置しています。

これにより注意喚起しているのですが、2020年は海水浴場が開設されたなかったため、フェンスの設置も中止に。

管理者が不在では無法地帯になると予測されたため、自治体にフェンスの設置を求めましたが、「海水浴場の事故防止を目的に設置しているものなので、海水浴場が開設されなければ設置はできない」との返答でした。

しかし例年の状況を考えると、このまま放置しては事故やトラブルは避けられないと判断し、公園側で独自にフェンスを設置。

夏場になると案の定、遊泳者があとを絶たず、境界付近での遊泳も多く見られましたが、フェンスや水上でのパトロールが功を奏したのか、無事故で乗り切ることができました。

またこの活動が評価され、水上警察から表彰を受けるにいたりました。

まだまだ先が見通せないコロナ禍では、今年も海水浴場が開設されないなど、2020年と同様のことが起こる可能性は十分にあります。

自分でできる予防策として、利用する水域のルールは事前に確認しましょう。

また水上バイクで走行中はむやみに海水浴場や砂浜、水辺に近づかないよう心がけ、他の水域利用者に配慮して楽しみましょう。

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