K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
少しずつ日が長くなり、初夏を思わせるような暖かい日も増えてきましたね。
いよいよマリンシーズンの到来という感じですが、みなさんは「警告信号」という言葉を聞いたことがありますか?
海上衝突予防法(以下、予防法)第34条第5項に、「互いに他の船舶の視野の内にある船舶が互いに接近する場合において、船舶は、他の船舶の意図若しくは動作を理解することができないとき、又は他の船舶が衝突を避けるために十分な動作をとっていることについて疑いがあるときは、直ちに急速に短音を5回以上鳴らすことにより汽笛信号を行わなければならない(以下略)」と規定しています。
要するに相手の動作が不明確である場合や、回避動作をとっていないように見受けられた場合は音による警告をおこないましょう、ということです。
なお予防法で定められた汽笛による信号は、以下のような種類があります。
■操船信号
・針路を右に転じているとき
→短音1回
・針路を左に転じているとき
→短音2回
・機関を後進にかけているとき
→短音3回
■狭い水道等における追い越し
・他船の右側を追い越す場合
→長音・長音・短音
・他船の左側を追い越す
→長音・長音・短音・短音
・他船に追い越されることに同意
→長音・短音・長音・短音
■警告信号
・急速に短音を5回以上
※一部を抜粋
音響信号機器が搭載されていない水上バイクでは、ライフジャケットに付いている笛がその役割を担います。
本来はライフジャケット用の笛と、音響信号器具(航海用具)としての笛は兼用できませんが、水上バイクでは可能となっています。
発航前点検でライフジャケットの不具合や破損を確認するのと同時に、笛が付いていること、笛が鳴ることもかならず確認しましょう。
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汽笛は古くから、特に霧中時において他船に存在を知らせる有効な手段として使われてきました。
デジタル情報や航海計器が発達した現代においても、汽笛は航海の安全に欠くことのできない存在であり、その使い方を正しく理解することが重要です。
船長の遵守事項である「見張りの実施」を徹底して周囲に細心の注意を払い、いざというときは笛を使って危険を回避しましょう。