K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
寒さが増してきた今日このごろ、いかがお過ごしですか?
冬しか見られない景色があったり、冬しかできない経験もあるので、玄人ユーザーの方々は今の時期でも水上バイクを楽しんでいることでしょう。
もちろん寒さ対策など夏とは異なる注意点もありますから、冬も乗ってみようと考えているビギナーの方々は、ベテランライダーや販売店にアドバイスをもらいましょう。
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さて、そんな経験や知識が豊富なベテランですが、彼ら彼女らも意外と事故やトラブルを引き起こしています。
その原因の多くは「慣れ」や「慢心」で、これは水上バイクに限らずクルマやバイクにも言えること。
ベテランだからこそ、本来は重要度の高い作業も無意識のうちに蔑ろにしたり、必要な準備も怠りがちです。
これは出航前の点検や準備にも当てはまり、「自分は大丈夫」「いつも問題ないから」といった根拠のない油断が予期せぬトラブルの原因となっています。
ビギナーのうちは慎重なので推奨された点検項目を忠実に実行することが多く、準備にも余念がないためその点ではベテランより優秀といえるかもしれません。
とはいえビギナーですから、経験が浅く知識が不足していたり注意が行き届かないことも多々あります。
トラブルを予見して回避したり、トラブルが発生した際に柔軟な対応をしたり、点検の際に見落としがちな細かいポイントを熟知しているベテランと同じようにはできません。
これは仕方ないことでもありますが、知識や経験不足の自覚がなく、ベテランのように振る舞って操縦ミスをするビギナーは考えを改める必要があるでしょう。
経験は一朝一夕で得られるものではありませんから、自身の力量を正しく把握して、まずは積極的に知識を吸収するところからはじめてみましょう。
身近にいるベテランの所作を観察してマネするのも、上級者への近道だと思います。
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ベテランだから、ビギナーだからと一概に言えるわけではありませんし、個人の性格によるところも大いにありますが、ベテランは初心を忘れず、ビギナーは経験不足を自覚したうえで行動するとトラブル回避に繋がるかもしれません。
そしてベテランは知識や経験を後進に伝えていき、ビギナーはそれを積極的に教わる姿勢を見せることも大切です。
こうした相互補完の関係がよりよいユーザーの育成に繋がっていくはずですし、シーマンシップが脈々と受け継がれていく土壌になり、水上での安全をよりたしかなものにしていくと我々は信じています。