RXT-XとRXP-Xが
300→325馬力に
ほんの数か月前のとある原稿で、「近年は馬力ではなく装備や機能の充実や、快適性を高める開発に力を入れているように感じる」という一文を書いた記憶がある。
Sea-Doo(シードゥ)においてはそれまでの260馬力から300馬力に出力を向上し、排気量も1494ccから1630ccにアップしたのが2016年のこと。
8年の沈黙が冒頭の一文を書かせた要因でもあるわけですが、まさかその直後に325馬力が発表されるとは……。
という前置きはさておき、2024年モデルのRXT-XとRXP-Xは水上バイク史上最高となる325馬力を実現しています。
新型スーパーチャージャーを採用
ROTAX 1630 ACEエンジンの各部を刷新することで25馬力の高出力化を実現しており、スーパーチャージャーも新型を採用。
遊星ギア(プラネタリーギア)を備えた新しい過給器は、最大ブースト圧が従来の800mbarから1050mbarに向上し、最大ブースト回転数も4万6800rpmから10万rpmと2倍以上にアップ。
それにともないインテークシステムも改良され、吸気効率を高めることでスーパーチャージャー作動時の安定性を向上。
また新型のインテークマニホールドはリブを備えた新形状となっており、強度が高められています。
エキゾーストシステムも見直され、マニホールドの形状変更とO2センサーが追加されました。
高出力化と併せて強度も向上
鍛造ロッカーアームやアームシャフト、バルブカバーなども新型が採用され、強度を向上し摩擦を低減。
シリンダーブロックにはリブが追加され、こちらも強度が向上。高速時に作動するオイルジェットも1か所追加されました。
ピストンは形状が最適化され、耐摩耗コーティングが施されています。
ドライブシャフトも新型に変更。これにともない325馬力モデルはiDF(異物除去ポンプシステム)が非採用となっています。
RXP-Xはよりプレミアムなモデルに
2024年モデルのRXP-Xは出力の向上だけでなく、2023年に限定発売された特別仕様モデルの“RXP-X Apex 300”に採用されていた油圧式のステアリングダンパーとカーボン製のフードが追加されました。
ステアリングダンパーは水にハンドルをとられるような動きを抑制し、より正確で確実なハンドリングを可能にするため、325馬力のポテンシャルを存分に発揮できる装備といえそうです。
RXT-Xはエンジン関連とカラー以外に大きな変更点はなく、充実した装備や機能もそのままです。
2024 BRP Sea-Doo
RXT-X 325
318万5600円(税込)|アイスメタル/マンタグリーン
321万8600円(税込)|フェアリーレッド(Plemium Color)
2024 BRP Sea-Doo
RXP-X 325
324万0600円(税込)|アイスメタル/マンタグリーン
327万3600円(税込)|フェアリーレッド(Plemium Color)