【2024ニューモデル】ステアリングダンパーに期待大!! 話題の325馬力モデルを最速レビュー|BRP Sea-Doo RXP-X 325 RS

25馬力アップだけじゃない!
操縦安定性と外観も進化

2024年のBRP Sea-Doo(シードゥ)は、水上バイク史上最高の325馬力を実現した「RXP-X 325 RS」と「RXT-X 325 RS」が最大のトピックスといえるでしょう。

RXPでいえば、2021年のフルモデルチェンジ以来のアップデートとなります。

馬力以外にもいくつかの変更点があり、走行性能、操縦安定性、外観と全方位で進化しているのですが、まずは新旧のスペックを比較してみましょう。

  2024 RXP-X 325 2023 RXP-X 300
全長 3318mm
全幅 1250mm
全高 1110mm
乾燥重量 362kg 354kg
燃料タンク容量 70L
エンジン 水冷4ストローク3気筒
吸気方式 スーパーチャージャー+インタークーラー
最大出力 325hp

300hp

燃料 無鉛プレミアムガソリン
シフト iBR
定員 2名*

船体サイズに変更はありませんが、重量が+8kgと微増。これはエンジン関連の変更に伴うものでしょうか。

最大出力は前述のとおり25馬力アップしています。

前後位置を6段階(約13センチ)から調整できるアジャスタブル・リアサドル装着時は、1名のみ乗船可能。アクセサリのタンデムシートを装着することで2名登録が可能になります

馬力アップに加えて耐久性も向上

325馬力を実現するためエンジンとその周囲に手が加えられましたが、もっとも重要なポイントといえるのが新型スーパーチャージャー(SC)です。

遊星ギア(プラネタリーギア)を採用した新しいSCは、最大ブースト圧と最大ブースト回転数を向上。

最大ブースト圧は880→1050mbar、最大ブースト回転数は4万6800→10万rpmに

エアインテークシステムも見直されたことで、SC作動時の安定性と効率をアップ。

インテークマニホールドは強度アップのためリブを備えた形状に変更され、エキゾーストマニホールドも新設計のものを採用。O2センサーも新たに追加されました。

シリンダブロックにも強度向上のためにリブが追加され、高速時に作動するオイルジェットを1か所追加。

新型の鍛造ロッカーアームやアームシャフト、バルブカバーなどにより強度向上と摩擦を低減

フューエルシステムも見直され、センサー内蔵の可変燃圧燃料ポンプを新たに採用。

燃圧を向上するとともに、変動する燃圧を適切に制御します。

ECUも新型を採用

馬力アップのための変更よりも、強度や耐久性を向上するための変更点の方が多い印象です。

油圧式ステアリングダンパーが安定したコーナリングを実現!?

2023年に限定発売された特別仕様モデル「RXP-X APEX 300」に採用された油圧式ステアリングダンパーが、2024年モデルのRXP-Xから標準装備に。

水にハンドルがとられる動きを抑制し、より正確で確実なハンドリングが可能になる」とのことですが、陸上で操作してみたところダンパーが効いている(ハンドルが重くなる)のを実感。

馬力アップに伴い旋回性能も向上しているでしょうから、よりシビアな操船が要求される可能性もありますが、このダンパーがあれば水面状況に左右されることなく安定したハンドリングが可能になりそうです。

ダンパーの強弱は3段階から選択可能。ハンドルの高さは調整不可
握った際に力を入れやすいラウンドグリップを採用

カーボンの採用でよりレーシーな装いに

油圧式ステアリングダンパーと同じく、特別仕様のAPEXモデルにのみ採用されていたカーボンフードが標準装備に。

RXP-Xのレーシーなイメージを際立たせる外観に仕上がっています。

カラーはアイスメタル/マンタグリーンとフェアリーレッドの2色(写真のレッドはRXT-X)。

アイスメタルは太陽光の当たり方によってメタリックなブルーに見えたり(iPhoneのシエラブルーっぽく見えるときも)、濃いグレーに見えたりと表情豊か。

フェアリーレッドは写真でみたところ「かなり強めの赤!!」という印象でしたが、明るめのワインレッドにも見えるような高級感のある色合いでした。

どちらも写真と太陽の下で見るのとでは印象が異なるので、機会があれば実物を見てみてください。

またその他の装備や機能は、従来モデルと変わらぬ充実ぶり。

RXP-X専用の「エルゴロックRシステム」は、ハイパフォーマンスなRXP-Xのポテンシャルを存分に発揮する手助けをしてくれます。

膝周りを覆うような形状とリアサドルにより、包み込むようなホールド感を実現するレーシングシート
低めに設定されたレーシングハンドルバーが、前傾姿勢のライディングポジションを可能に
2段階の傾斜が付いたダブルアングル・フットウェル

7.8インチのワイドLCDフルカラーディスプレイとBluetoothオーディオ、グローブボックス内の防水コンパートメントに装備されたUSBポートといった「テックパッケージ」は、日本導入モデルは標準装備。

ディスプレイには専用アプリと連携することで地図や位置情報を表示可能
オーディオの選曲や音量調整はハンドル右のパッドでも操作可能
深さがあり使い勝手の良いグローブボックス
LinQアタッチメントを備える広々としたリアデッキ

多機能なディスプレイやオーディオなど、レースだけでなくファンライドも楽しめる装備が充実しています。

T3-Rハルと325馬力がもたらすのは……?

2011年のワールドファイナル(世界大会)に、当時まだ未発表だったRXP-Xの「T3ハル」を投入してジェームス・ブッシェルが2冠を達成したことは、今思い返してみてもセンセーショナルな出来事でした。

それ以降、RXP-Xは世界中のレースを席巻。そして2021年にはさらなる旋回性能を実現した「T3-Rハル」を採用し、より速く、安定したコーナリングが可能に。

そんなハルと325馬力の最高出力がマッチングした2024年モデルのRXP-Xは、ワンランク上のコーナリング性能を実現しているでしょう。

加速だけでなく最高速もアップしているとのことなので、走行性能を追い求めるひとにはこれ以上ないモデルに仕上がっているはず。

いずれ試乗の機会がありそうなので、続報をお待ちください!

2024 BRP Sea-Doo
RXP-X 325

324万0600円(税込)|アイスメタル/マンタグリーン
327万3600円(税込)|フェアリーレッド(Plemium Color)

アイスメタル/マンタグリーン
フェアリーレッド
●全長×全幅×全高:3318×1250×1110mm ●乾燥重量:362kg ●燃料タンク容量:70L ●エンジン:水冷4ストローク3気筒 ●排気量:1630cc ●吸気方式:高性能スーパーチャージャー+インタークーラー ●最大出力:325hp ●燃料:無鉛プレミアムガソリン ●シフト:iBR ●定員:2名
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