GTRが正統進化
2012年にリリースされたGTR 215は、軽量・コンパクトなハルに過給器付きエンジンを搭載することで爆発的な加速性能を実現。
またRXTやRXPに肉薄する走行性能を持ちながら価格を抑えたことで、「手の届くパフォーマンスモデル」としても人気を集めたモデルでした。
そんなGTRが正統進化したのが、GTR-X 300です。
数字から読み解くGTR-X 300
乾燥重量369kgの軽量な船体と300馬力の過給器付きエンジンによる刺激的な加速性能は、当然ながら215馬力の初代GTRから飛躍的に向上しています。
GTR-Xのパワーウェイトレシオは1.2kg/hpであり、これは並み居るスーパーカーをまったく寄せ付けない数値です(ランボルギーニ アヴェンタドールが2.1kg/hp)。
325馬力のRXT-XやRXP-X(ともに1.1kg/hp)と比較しても見劣りしない加速性能といえるでしょう。
ちなみに初代GTRのパワーウェイトレシオは1.6kg/hpでしたから、GTR-Xとの差は歴然です。
またクルマの世界では類似した車種を比較する際に『1馬力1万円』なんて表現がひと昔前はよく使われていましたが、それに習ってみるとGTR-X(300hp)が293万9000円で、RXP-X(325hp)が330万7000円。
価格差(約37万円)が馬力差(25hp)を上回っているため、おトク感のあるモデルといえそうです。





装備は上位モデルと遜色なし
オーディオや多機能ディスプレイ、LinQアタッチメントなどの装備はひと通り揃っているため、水上での快適性や使い勝手も申し分ありません。





乗りこなす楽しさを味わえる
ライトウェイトスポーツ
Sea-Dooのパフォーマンスモデルにおける代表格といえばRXP-Xであり、その実力は世界中のレースで証明済み。
唯一無二の旋回性能と類い希なる走行性能が最大の要因ですが、他のモデルとは一線を画す究極の一体感と抜群のハンドリング性能により、誰でも思い描いたラインを最速で走れるため、ある意味で乗り手を選ばないモデルでもあります。「誰が乗ってもある程度は速く走れる」わけです。
では、RXP-Xの妹分的な存在であるGTR-Xはどうでしょう。実は姉より妹の方がじゃじゃ馬で、よりスポーツ性の高いモデルといえるかもしれません。
超軽量素材ポリテックを採用したGTIハルに過給器付きエンジンを搭載するGTR-Xが、325馬力のRXP-XやRXT-Xに肉薄する走行性能であることは前述のとおり。価格が抑えられていることからおトク感も強いモデルといえますが、両者がもっとも異なるのはその乗り味でしょう。
誰が乗ってもポテンシャルを引き出しやすいRXP-Xとくらべて、GTR-Xはその軽さを活かした走らせ方がライダーに求められる印象です。爆発的な加速性能をフルに発揮するための重心移動や、波による跳ねを最小限に抑えるハンドル操作とスロットルワークなど、スポーツ性の高いモデルとなっています。
昨今の水上バイクは乗りやすく快適性の高いモデルがラインアップの大半を占めますが、そのなかでもGTR-Xは水上バイク本来の楽しさが味わえる数少ないモデルといえるでしょう。
基本コンセプトはそのままに、性能の向上と装備を充実させたGTR-X 300。速さと装備、さらに価格も追い求める欲張りなあなたもきっと満足できる1艇といえそうです。
2025 BRP Sea-Doo
GTR-X 300
293万9000円(税込)
