江戸川水上スポーツ協会のいちばん長い日│江戸川花火大会の水上警備に密着!

2024年8月24日(土)に開催された、江戸川の花火大会。

この花火大会では事前に申請して協賛金を支払うことで、指定観覧エリアから屋形船やプレジャーボートでの花火観覧が可能となっています。なお花火打ち挙げ場所(立ち入り禁止水域)から上流側には無料の自由観覧水域が設定されていますが、下流側からこの水域に入れるのは15時まで。さらに大会終了後も、安全が確認され立ち入り禁止水域が解除されないと退場できない制限があります。

花火大会当日は、昼過ぎから自由観覧水域に向かうプレジャーボート、そして日暮れ前になると指定観覧水域に向かう屋形船やプレジャーボートが江戸川に集まってきます。それらの船舶をスムーズに、そして安全に誘導するなど水上警備の一翼を担っているのが、マリーナや船舶免許機関、水上スポーツ事業者など江戸川の水域利用者が集まって設立された、一般社団法人 江戸川水上スポーツ協会(EWSA)です。

誘導灯や無線機だけでなく、熱中症対策のための水分や塩タブレットなども用意されていました

花火の打ち上げ開始は19時15分ですが、EWSAの集合時間は11時。基地となるエムジーマリーン江戸川ゲレンデのスロープに集まり、それぞれの配置や役割の確認、誘導灯や無線の配布など準備が進められ、ボート10艇、水上バイク3艇、26名の体制で警備にあたります。

12時には自由観覧水域を担当する警備艇が出航。PWCも出航していきます。

自由観覧水域へと向かうプレジャーボートを誘導し、14時30分からは通航規制を開始。以降は事前申請をした標旗のない船舶は、江戸川下流の水閘門を通過できなくなります。

3艇配備された水上バイクを運用していたのは、江戸川水上スポーツ協会の会員でもあるウォーターリスクマネジメント協会(WRMA)です。水閘門を越えてやってくる船舶を観覧エリアまで誘導するのが、その主な役割です。水閘門から観覧エリアまではすべての船舶が徐行となっていますが、WRMAの事前ミーティングでは、水上バイクの徐行8km/hでは船舶は舵が効かなくなるため、気持ち速めの徐行で誘導した方が安全であることがメンバーに共有されるなど、プロフェッショナルらしいキメ細やかな対応がなされていました。

15時過ぎから指定観覧水域に向かう屋形船やプレジャーボートが増えはじめ、18時ごろにはピークに。途中、陸上の取材班からは確認できませんでしたが屋形船からの落水者があり、WRMAの水上バイクがすぐに救助し、事なきを得たようです。

 

水上バイクは日没時刻に上架。WRMAメンバーはボートに乗り換え、引き続き水上警備に向かいました。

多くの船舶が指定観覧エリアにアンカリングを終えた19時15分に、花火大会がスタート。大輪の花火が次々に打ち挙がり、陸上の観覧エリアと水上から、大きな歓声があがりました。

これで水上警備もひと息かと思いきやそうではなく、アンカーが効かずに流されている船や落水者がいないかなど、警戒業務は休みなく続きます。そして20時15分ごろに花火大会が終了すると今度は、一番大変だという大会終了後の誘導です。会場入りは各船舶で時間差がありますが、帰りは同時。我先となると大きな混乱が生じるためルールに従い、エリアごとに順序よく退場してもらわなければなりません。

すべての観覧船が退場し、水上警備の基地であるエムジーマリーン桟橋に警備艇が戻ったのは22時過ぎ。これでも例年に比べれば早く終了したようです。

こうして、江戸川水上スポーツ協会のいちばん長い日が、ようやく終了しました。

今回は水上だけでしたが、もちろん陸上でも、EWSA同様に多くの裏方さんが人知れず汗を流すことで、安全・安心な花火大会が運営されているのです。


江戸川水上スポーツ協会(MG MARINE内)
https://www.mgmarine.co.jp/

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