生駒 淳の海外レース参戦記#09│2019 THAI AIRWAYS IJSBA WORLD FINALS

2019年10月12日(土)【レース6日目】
本命レースは、最高の滑りだし──からの、最悪の結果に。

PHOTO:Jin Omura

今日はいよいよ、プロ・ランナバウトGPのレースです。

朝7時からライダーズミーティングですが、早朝のレイクハバスは毎年寒い!! 今年はJETPILOTの新しい3mmツアーコートを着て行ったので凍えずにすみました(笑)。

プロ・ランナバウトGPでもマスタークラス同様に、予選とグリッド決めは走りませんでした。ただし今回は体力温存ではなく、マシンの温存です。スキーと違ってランナバウトは全然疲れませんが、逆にマシンがもたないので。スタートには自信があるので、グリッドはどこでも大丈夫ですしね。

そして午後1番に、MOTO 1がスタート。自分はグリッドを選べないので、インコースのインから3番目でした。スタートタイミングは、予定どおりバッチリ!! 左右を見ても誰もいません。

インコースの1位で、合流も余裕のトップかと思いきや、アウトコースが速く、合流では2位でした。でも前を走るライダーにドンドン追いつくので、ペースは明らかにこちらの方が速い。

バックストレートも自分の方が速く、これはチョイスで抜けるなと思った瞬間、マシンが水中に潜りました。何が起こったのかまったくわからなかったのですが、それ以降、マシンが全然曲がりません。

エンジンは調子が良いので全開もできるのですが、とにかく曲がれない。スポンソンでもなくノズルでもなく、何だろうと思いながらもホームストレートを走っていると、マシンが左に傾いています。その後もなんとか走り続けていたのですが、今度は突然、マシンが左に急旋回。そして右にはまったく曲がらない。

これではさすがにコースを走れないと諦め、リタイアするためにインスペクションエリアに向かってホームストレートを走っていたら突然、マシンがインコースとアウトコースを仕切るブイに突っ込んで動けなくなりました……。

PHOTO:Jin Omura

ホームストレートの1番危ないところで止まってしまったので、マーシャルにも緊張が走ります。早くどけと言われても、マシンが動かないのでどうにもなりません。

最後はマーシャルにけん引してもらいマシンをあげてみると、なんと、ハル左側のカーボンが前からうしろまで、ごっそり剥がれてなくなっていました。これでは走れるわけがありません。良い位置にいるときに限って、こういうことが起こるんですよね(泣)。これではスラロームも走れないため、今年はスラロームも諦めることに。

MOTO 2は耐久用のマシンで出ましたが、GPマシンには歯が立たず、結果は総合6位でした。

この日のレースを終えて家に戻り、明日は夕方の耐久レースだけだから、朝はゆっくりで大丈夫だなと夜更かししながらFacebookを見ると偶然、レーススケジュール変更のお知らせを発見。なんと、耐久レースが朝イチになっている!! 慌ててみんなに電話して、翌朝は7時集合と伝えてから、大急ぎで寝ました。スケジュール変更に気づかなかったら、会場に行ったときにはレースが終わっているところでした。危ない危ない。

次ページ:【レース7日目】世界チャンピオンへのトビラが、あり得ないかたちで閉ざされる。

水上バイクやボート、各種マリンスポーツの新鮮情報をお届けする、ホットウォーター公式LINE。雑誌企画『みんなのPWCライフ』への写真投稿もできます。
LINE友だち追加はこちら
いいね! お願いします