K38 JAPANコラム「HOT WATER SAFETY」vol.117|水上バイク騒動のその後


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


 

昨年は水上バイクの危険行為や迷惑行為が社会問題化し、多くのメディアを賑わせました。

安全に配慮し、ルールやマナーを守って水上バイクを楽しんでいるのに肩身の狭い思いをしたひとも少なくないでしょう。

今回は、昨シーズンの「水上バイク騒動」のその後について、少し触れてみたいと思います。

◇ ◇ ◇

きっかけともいえる「危険操縦」が発生した兵庫県明石市では、事案が発覚して早々に刑事告発したことが大きな話題に。

その後、海上保安庁や警察などの関係機関と合同で注意喚起を目的とした緊急パトロールをおこない、当該エリアには監視カメラを設置するなどスピード感のある対応もメディアの注目を集めました。

そして事案発生からおよそ1か月後となる2021年9月13日には、関係機関や団体、メーカーが招集された「海岸域の安全利用にかかる連絡会議」を開催。

情報共有と安全対策、役割分担などの意見交換をおこない、明石市としてどのような対応ができるか整理されたようです。

それ以降も「明石市は安全なまち・海のまちなので、みんなのものである海で気持ちよく過ごせるようにルールを整備する」「マリンレジャーやマリンスポーツを安全に楽しめる環境を作る」ことを前提として会議がおこなわれ、結果として市内海水浴場内への水上バイクの侵入禁止や危険行為への罰則強化、関係機関による啓発活動の推進が掲げられました。

具体的には「海水浴場にブイを2重に設置して遊泳者の安全区域を確保する」「安全区域内における危険行為に対して懲役刑を含む罰則を強化する」「条例の制定」「監視カメラの増設」「関係機関による安全啓発キャンペーンを合同で実施」などが計画され、2022年3月の市議会で条例案を提出してシーズンに備えるとのことでした。

一方、兵庫県でも同様の対策会議が2021年11月から数回に渡って開催され、水域利用のルール作りや危険操縦および飲酒に対する罰則の強化について検討されています。

また神戸市でも条例改正の動きがあり、一部の港湾区域の航行禁止と海水浴場への水上バイクの乗り入れ禁止が検討されています。

そしてこれらの動きは、兵庫県だけの話ではありません。

あれだけ大々的に報道されたこともあり、当然のように全国規模で規制や罰則強化が活発化すると予想されます。速力の大幅な規制や走れる・乗り入れできる水域がさらに限定されないとも限りません。

各自が自分のゲレンデを守る意識を持ち、今まで以上にルールやマナーを遵守しましょう。もはや他人事ではありませんよ。

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