K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。
本格的なマリンレジャーシーズンに入り、小型船舶を利用するひとも増えています。
それにともない、非常に残念なことですが、海難事故の件数も昨年以上に増加しているそうです。
水上バイクユーザーにも十分注意してもらう必要がありますが、ところでみなさん、航行中に「ヒヤリハット」したことはありませんか?
「危ないことが起こったけど大事には至らなかった」というのがヒヤリハットの定義ですが、船舶の航行中においては事故の一歩手前がその状況にあたります。
運良く回避できたからヒヤリハットで済みましたが、事故が起きていても不思議ではない状況です。
では事故を確実に回避するためには、何が必要か。
まずは「見張りの実施」を徹底することが大切です。
◇ ◇ ◇
小型船舶操縦士免許の裏面には、船長の遵守事項が7つ記載されています。
そこにはもちろん「見張りの実施」も含まれていて、安全運行は見張りに始まり見張りに終わると言っても過言ではありません。
水上バイクを含む船舶を運航するにあたり、もっとも重要なのは事故を起こさないこと。
そして事故防止にもっとも効果があるのは、適正な見張りをおこなうことです。
水上バイクに多い衝突事故も、原因の多くは見張りの不十分であり、毎年のように起きているトーイング中の事故も同様です。
見張りを徹底していれば防げるものも多いため、ヒトやモノ、周辺の状況、事象海象を注視して、即座に適切な対応を取れるようにしておきましょう。
◇ ◇ ◇
海の代表的なルールである「海上衝突予防法」の航法の冒頭には、「船舶は周囲の状況及び他の船舶との衝突のおそれについて十分に判断することができるように、視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならない」と記されています。
また「船舶職員及び小型船舶操縦者法」の船長の尊守事項にも、適切な見張りの実施が明記されています。
そして前述のとおり、見張りは他の船舶だけが対象ではありません。
海には刺し網や延縄などの漁具、定置網や養殖漁業の設備、浅瀬や岩礁などの危険物など、避けるべきものがたくさんあります。
SUPやカヌーなどの非動力船の動向にも注意する必要があるでしょう。
また航行中はもちろん、沖で釣りをしているときやノンビリ休憩しているときでも見張りを怠らないでください。
危険を少しでも早く察知することで、余裕のある対応が可能となります。
見張りを十分におこない、心にゆとりのある航行を心がけましょう。