【コラム】K38 JAPAN「HOT WATER SAFETY」vol.155|水上バイク操縦のいろは


K38 JAPAN
2008年4月に発足。米国に本部を置くK38の日本支部として、各地で水上バイクによる安全運航および救助・操船技術講習会や、マリンスポーツイベントにおける安全管理などを通じて、水上安全の普及・啓発活動を行っている。


刺激的なスピードで水上を滑走する水上バイクは、非日常を体験できる人気のアクティビティです。

マシン性能も日進月歩で、ハイスペックモデルならあっという間に時速100キロを超えますが、安全に楽しむためには水上バイクの操縦に関する正しい知識を持ち、基本的な技術を習得することが必要です。

桜咲くこの季節、新生活を機に免許を取得して水上バイクライフをスタートしようと考えているひともいるでしょう。今回はビギナーが最初に覚えるべき操縦のいろはを紹介します。

◇ ◇ ◇

まず、ジェット推進を採用する水上バイクは、スロットルレバーを握って推力を発生させないと舵が効きません。

レバーとハンドル操作を連動するのが基本であることは、免許を取得したひとなら身をもって経験したはずです。障害物を回避する際に、推力が無い状態でハンドルだけ操作したものの曲がらず、そのまま直進して激突、という事故が起こる可能性もあります。

急旋回にならない余裕のある距離感で行動を開始し、落ち着いて操作しましょう。

次に発進時の注意点ですが、まずは周囲の安全確認を徹底しましょう。急発進にならないようにスロットルレバーを徐々に握り、速度を上げていき船体姿勢を安定させます。旋回時は体を内側に傾けるとバランスが取りやすく、安定して曲がっていけます。

また水上バイクの減速は元来、水の抵抗を利用して自然に停止するものでしたが、昨今の水上バイクにはリバースだけではなく減速装置を搭載しているモデルも少なくありません。制動距離を短縮する便利な機能ですが、K38 JAPANではリバースや減速機能の常用を推奨していません。

めったに起こりうることではありませんが、万が一リバースゲートが破損した場合、減速や後進だけでなく直進も不能になるケースがあるからです。あくまで緊急時や限定的な用途にとどめて、まずは自然に停止する距離感を習得しましょう。

そして最後に、周囲の状況を常に意識して操縦することも重要だと覚えておきましょう。前方だけではなく左右や後方も確認し、他の船舶や障害物との距離を十分に保ち、視野を広く持つことが安全な航行の第一歩です。

ビギナーが安全への基本を確実に覚えることは重要ですが、それはベテランでも同じこと。

ライフジャケットを着用し、スマートフォンやホイッスルを携帯し、緊急エンジン停止コードは正しい位置に取り付けて落水時にはエンジンが停止する状態を保つなど、当たり前のことを当たり前に遂行して、今シーズンも安全第一でいきましょう。


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