軽量な新型ハルがさらに刺激的な加速を実現
エンジンはハイエンドモデルのROTAX 1630 ACE が新たに採用され、排気量が拡大。最新のテクノロジーを採用したエンジンだけに燃焼効率や信頼性の面でメリットがあるのは間違いないが、最大出力は従来と変わらず230 馬力のままとなっている。
それなのに加速性能が向上しているのは、ポリテックの採用による大幅な軽量化が最大の要因だろう。SPARKなどにも採用される超軽量素材に変更したことで、従来モデルとくらべて約16kg の軽量化に成功。これにより爆発的な加速性能はさらに磨きがかかった。
ライポジの低重心化で人馬一体の操船が可能に
そしてもうひとつ、乗り込んですぐにわかる変更点がライディングポジションの低重心化だろう。スペック上の全高は従来モデルより約19mm 高くなっているが、フットエリア(特にライディング時に足を置く部分)がかなり深くなっている印象で、目線が低くなっているように感じられた。
膝周りが細く絞り込まれたエルゴロックシートと相まって、より一体感の高いライディングが可能になっている。今回は平水面での試乗となったため、軽量で従来よりさらにコンパクトになったハルは波のなかで跳ねやすい? というのは今のところわからないが、人馬一体のライディングを可能にする新型GTR なら、荒れた水面でもきっと乗りこなせるだろう。