いつまでも水上バイクを楽しむために
近年はSUP(スタンド・アップ・パドルボード)やカヌーといったエンジンを持たない非動力船が人気で、水上バイクに乗っていると遭遇する機会も多いが、そんなとき、相手に配慮した走りができているだろうか?
他のマリンスポーツとの共存が、自分たちの遊び場(ゲレンデ)を守ることにも繋がる。
水上バイクが知っておくべきコト、気をつけるコトを、あらためて考えてみよう。
各種マリンスポーツを知る
各種マリンスポーツを楽しむひとから「水上バイクがいるとコワイ」という声がある。いわく、近距離を猛スピードで走り抜けたり、意味なく近づいてきたり、死角から急にあらわれたり……。
水上バイクの原則は各種マリンスポーツに近づかないことだが、『相手との安全な距離』の感覚が、水上バイク側とマリンスポーツ側で異なることも覚えておこう。
水上バイクが安全と思う距離でも、動きに制限のあるマリンスポーツ側は猛スピードで接近してくる水上バイクに不安を感じるもの。
だからこそ水上バイクに乗る際は、相手の立場になって考え、行動する必要があるのだ。
そのためにもまずは、各種マリンスポーツについて学んでみよう。
スタンド・アップ・パドルボード
大きめの専用ボードの上に立ち、パドルで水を掻いて進むウォータースポーツ。
通常のサーフィンと異なり波がなくても楽しめるので、海だけでなく、川や湖など幅広いフィールドで盛んになっている。
不安定なボードにバランスをとりながら立ってパドリングすると全身へのエクササイズ効果があるだけでなく、ツーリングやフィッシング、水上ヨガなどさまざまな楽しみ方ができるのも人気の秘密。
自分の視界から受ける波は身構えられるが、水上バイクのひき波など、突然に見えない方向からの波を受けるとバランスを崩しやすいという特徴がある。
カヌー
海や川、湖でも広く楽しまれているカヌー/カヤック。写真はフィッシングにも対応した安定性の高い2.5 人乗りのカヤックだが、船が細長いので、横から波を受けるとバランスを崩しやすい。
また乗船者の視線が低いため、水上バイクで接近すると威圧感を与えやすいことも覚えておこう。
なお写真はシット・オン・トップに分類されるタイプで転覆時の再乗艇も容易だが、下半身を船内に入れるシット・インは再乗艇が困難になる。
水面に近く正面や後ろから見るとシルエットが小さいため、水上バイクを高速で走らせているときは存在を見落としがちなので注意してほしい。
ウィンドサーフィン
ウインドサーフィンの動ける方向は風向きで、速度は風速で決まる。動ける方向は、風上に向かい約45°まで。上級者になれば50 ~ 60km/h の速度をだすことも可能だという(世界記録は約100km/h!!)。
写真のボードは安定性の高い入門用インフレータブルだが、一般的なものは樹脂製で細身のタイプ。風を受けるセイルは大きく、バランスをとりながら常に角度や開き具合をコントロールする必要がある。
セイルには写真のような窓の他、全体が透明になったタイプもあり向こう側が完全に死角となることはないが、それでもやはり、見えにくさはある。ウインドサーフィンの場合、見えにくい範囲が広いことをしっかり覚えておこう。