生駒 淳の海外レース参戦記#01│ JET SKI PRO TOUR 2019 ROUND 1

不慮のアクシデントで、まさかのリタイア。掴みかけてこぼれ落ちた、開幕勝利

2019年3月17日(日)【レース2日目】
掴みかけてこぼれ落ちた優勝

生駒淳の走り

いつもより少し遅めの朝9時に起床してホテルで朝食をとり、マシンが置いてある島に向かったのですがなんとマシンが無い!! まさか盗まれたか!? と探し回っても見つからないので、ひとまずレース会場へ。もしかしたらタイヤマハの誰かが、自分たちがあまりにも来るのが遅いので、心配してレース会場までマシンを運んでくれたのかもしれない。そんな淡い期待を胸にレース会場に着くと、自分のマシンが他のマシンと一緒に川に係留してありました。どうやら誰かが運んでくれたようです。ありがたいんですけど、ノーマルハルじゃないので、万が一ドレンから水が入ったら沈んでしまいます。まあ盗まれていなかっただけよかったと、ひと安心です。

それから燃料や荷物を島まで取りに行って、ふたたびレース会場に。今大会で初めて、レース会場のテントに入ります。ずっと離れた島にいたので、会場の雰囲気をまったく味わっていませんでしたからね。他のライダーとも会えていなかったので、ようやくご対面です。

午前のMOTO 3はインコースの1番イン側を選択。昨日速かったPermponはエンジンが壊れたため、今日はスペアボートでの参戦でした。

最高のタイミングでスタートできて、インコース1番で合流も1番。あとはペース配分を考えて、マシンを壊さずゴールするだけ。そのまま無理せず走って、無事1位でゴールしました。

インスぺクション後はまたスロープがある島に自走で行き、メカニックのみんなが午後のレースのために最善を尽くしてくれます。そのあいだに自分は急いで昼食を食べ、午後に備えます。

途中リザルトを見に行くと、今のところ自分は総合1位で2位とは16ポイント差。午後のMOTO 4は3位でゴールしても優勝できるため、気持ち的にもだいぶ楽になりました。

そして迎えたMOTO 4はインコースの1番イン側を選択し、インコースのホールショットで合流も1番でした。こうなれば、優勝はほぼ間違いなし。あとはマシンを壊さずゴールするだけだったのですが、5周目に異音が!! 

そう思った瞬間、ドライブシャフトが折れたようなガラガラ音がして、マシンが完全にストップ。「嘘でしょ!!」と思いましたが、現実です。コース上にはダムの開放に伴い異物がたくさん流れているので、何か吸い込んだかもと水に飛び込みインテークゲートに手を突っ込みましたが何も無く。それどころかマシンが急に沈みだしたので、これはただごとでは無いと思い、すぐにレスキュー艇にロープを掛けてもらい、マシンをヤマハブースまで運んでもらったのですが、沈む寸前のマシンを陸にあげられず、結局スロープまで運んでもらうことに。
無念のマシンストップでリタイア

自分はとりあえず陸に上がってレースを見ると、NulekとOrraphanが2位と3位で競っていました。Orraphanが2位のNulekを抜いてくれれば自分が優勝ですが、もし抜けなかったら自分は2位に。Nulekを抜いてくれと思いながら、自分はマシンのある島に車で移動しました。

マシンは何とかトレーラーで陸に上げられていたのですが、見るも無惨な状態に。エンジンマウントが全部引きちぎれて、エンジンはおもいっきり前にズレていました。配管はエンジンに引っ張られてすべて抜けてしまったので、排気口から水が入って水没したようです。

メカニックのみんなはすぐに修復作業に取り掛かってくれたので、自分たちはとりあえず呼ばれるか呼ばれないかはわかりませんが表彰式に行きました。

そしてタイツアー第1戦の最終結果は、なんと1ポイント差で2位。1ポイント差か……。ポイントが離れていれば諦めもつきますが、1ポイント差と聞くとMOTO 1の時にもうちょっと抗議していれば1位だったのかもと少しだけ後悔してしまいます。まあ、こればっかりは仕方ありません。今回は2位ということで諦めて、すぐにみんなのところに戻りました。

今夜はタイヤマハの打ち上げがあったので、みんなで大急ぎで翌日の段取りを済ませてから打ち上げに向かいました。

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水上バイクレーサー、生駒淳
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