生駒 淳の海外レース参戦記#04│TACLOBAN INTERNATIONAL JET SKI RACE 2019

新型ヤマハMJ-FXのポテンシャルを存分に発揮して、レースは滞りなく進行

2019年6月15日(土)【レース2日目】
レース中も、フィリピンらしさ全開!!

タクロバンの水上バイクレースの会場

この日も朝7時に集合でしたが、もう騙されません。どうせ遅れると思い8時に起きると、BJから「どこにいる?」と連絡が。「部屋だよ」といったら「待ってるから早くきて」とBJ。まだ準備ができていなかったので、自分は会場まで歩くから先に行ってと言ったのですが、聞き入れてくれません。急いで用意して食堂に行くと、すでにBJはいませんでした……。

仕方ないのでゆっくり朝ご飯を食べていたら、ドライバーが迎えに来てくれました。BJの、遅れてもいいときと急ぐときの違いがさっぱりわかりません(笑)。でも迎えを手配してくれるのがBJの優しさなので、遠慮なく車で送ってもらい、レース開始前に会場に到着しました。というか、本来ならとっくにレースが始まっている時間だったのですが、安定のフィリピンタイムでした(笑)。

水面は、昨日とは打ってかわりベッタベタ。まったく波がありません。これではマシンパワーの差がモロに出てしまいます。周回数が増えれば体力勝負になり、後半に抜いて行けると思うのですが、果たしてどうなることやら……。

自分のレースが始まるまで、他のクラスのレースを見ていたのですが、ひとつ気になったことが。この国では、仲間を勝たせるために、あからさまに他のライダーの邪魔をするヤツがいます。そういえば自分も去年やられましたが、選択コースに入った瞬間、うしろを振り返りながら、ほとんど止まりそうな速度まで落として後続の邪魔をします。こんなことが許される国はなかなかありませんが、そこは流石のジャスティン・リーさん。あからさまな妨害行為は、黒旗で失格にしていました。自分は忖度ぐらいにして、周りから分からないように上手くやろっと。

タクロバンの水上バイクレース

そして午前中の真ん中ぐらいに、MOTO 3がスタート。今回もBJがアウトに行ったので、自分はインコース。自分の隣には、またも最速マシンに乗るルイさんが入りました。

スタートと同時に、もの凄い勢いで加速するルイさんについていけるわけもなく、ドンドン離されてしまいます。BJは、アウトのホールショット。そのまま合流でBJ、ルイさん、自分と並びました。

レースは8周あるので、ルイさんを抜くなら、体力が物をいう後半がチャンスです。序盤から毎周回、選択コースではインとアウトに分かれ、前を走るルイさんにプレッシャーをかけ続けます。それでもこれだけベタだと、ルイさんも頑張る頑張る。思った以上に時間がかかり、6周目にようやくパスできました。

抜かれたあとのルイさんは、フィリピン人特有の「マシンが壊れたから抜かれたー」アピールに一生懸命で、一気に離れて行きます(笑)。こういうひとがホントに多いんですけど、抜き返してやろうとは思わないのかな? 自分としては、無事にBJとワンツーで終われたから良かったですけどね。まあ、次もBJが1位じゃないとミッションクリアとはならないので、まだまだ気は抜けません。

その後のマスタークラスはまたまた何事もなく、ベタベタでも余裕の1位でフィニッシュでした。

そして最後のMOTO 4。スタート前になぜかジャスティン・リーさんが周回数10周の合図を出しました。もちろん周りは大ブーイング。自分は大喜び!! たとえスタートがビリでも、10周あればBJ以外は全員抜けます。

スターティンググリッドはこれまで同様、自分がインコースでBJがアウト。ルイさんはまたもや自分の隣からスタートで、合流後は自分が1位、ルイさんが2位、3位にBJです。

10周もあるので、BJが自力で上がってくるだろうとあまり気にせず走ります。うしろばかり見ていると疲れちゃうし、首が痛くなりますからね。BJを信じて走っていると、6周目ぐらいで予想どおりBJが自力でルイさんを抜き、2位まであがってきました。

さて、ここからが本番です(笑)。このまま自分が1位でゴールするわけにはいかないので、ギャラリーやライバルにバレないように、上手に抜かれなくてはいけません(笑)。今回のコースはあきらかにインが速いので、BJが2位になった瞬間から、自分はアウトコース、BJがインコースを走るというのを2周ほどやって、無事にBJが1位となり、そのままゴール。ミッションクリアです。

あとは自分が2クラス優勝すれば、完璧。その後のマスタークラスは無事に1位で完全優勝して、すべてのレースが終わったあとは、大トリのエンデュランス(耐久レース)です。耐久レースまでは1時間以上あるので、そのあいだにBJはスーパーチャージャーをノーマルに戻しています。こういう所は抜け目がない(笑)。でもなぜかBJ自身は出ないで、マシンは誰かに貸すそうです。

当初は3人しか走らないと聞いていたエンデュランスも、最終的には10人がエントリー。そのなかには、日本人の豊田さんもいました。そして、マニラで奇跡的にバッタリ会った知り合いが、BJのマシンに乗ることに。金持ち親子の少年は、GP1800ターボ。ルイさんも出るので、そこそこ速いひとたちが集まりました。意外と気が抜けませんが、新型ヤマハMJ-FXなら、ストックでも勝てるでしょう(笑)。

耐久レースのスタート

スタートはラバースタートで、マシンに乗ってホールドされた状態でエンジンを掛け、ラバーが切れたらスタート。25分+1ラップでフィニッシュです。

ライダーズミーティングでは、コースの約半分が追い越し禁止で、違反すると1周減のペナルティとアナウンスがありました。あまりにも追い越し禁止エリアが広過ぎるので、何度も間違いないか確かめたのですが、ゼッケン確認のために禁止しているそうです。

今回のレースでもっとも楽しみにしていたクラスで、しかもヤマハMJ-FXの良さをアピールできる絶好の環境。これで燃えないわけがありません。

そしてレースがスタート。やはりルイさんのマシンが速く、先行されて2位で1周目を通過。3周目にルイさんのイン側に行って抜くチャンスを伺うも、早くも周回遅れが絡んできて抜けず、4周目にようやく1位に。

そこからは1周1分を切るハイペースで走り切った結果、2位を3周以上ラップして優勝。ノーマルなので壊れる心配もなく、最後まで全開で走れたのでめっちゃ楽しかった(笑)。結局、自分は29周を走ったそうです。ヤマハMJ-FXのポテンシャルを、みんなに示せたと思います。

そしてレースも終わり、19時からまたいつもの場所で無料の夜ご飯をいただきました。リザルトが張りだされているので順位はわかっているのですが、トロフィも無いし表彰式が始まる気配もありません。おかしいなーと思っていたら、どうやら表彰式は別の場所でやるとか。

少し歩いたところでライブが行われていて、そこで表彰式もやるそうです。ライブではラップ的なモノを若者が歌っており、自分たちは強制的に聴かされる感じに(笑)。

大体みんなが揃ったころに表彰式が始まったのですが、2クラス表彰したところで、ライブ再開。えー、ずっとこの感じでやられたら、たまったもんじゃないんですけどー、と思いながらもさらに3曲聴かされ、ようやく自分たちの表彰が始まりました。

自分の結果はアマチュア・ランナバウトLTDが2位、マスター・ランナバウトLTDとエンデュランスが優勝でした。BJはアマチュア・ランナバウトLTDとランナバウト2st OPENで優勝と、最高の結果になりました。しかも去年は賞金がなかったのに、今年は何と全部で80,000円の賞金を受け取りました。エントリーフィーは全部で6,000円だったので、なかなかの収支です(笑)。

表彰式のあとはみんなでホテルに戻って、そのまま就寝です。

次ページ:【オフ】自分の文句が多い気もしますが、BJは基本的にナイスガイです

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