トップライダーによる試乗インプレッション
革新的なタッチパネル式ディスプレイや走行時の快適性を高める新機能といったわかりやすい部分に目が行く新型MJ-FXシリーズだが、フルモデルチェンジというだけあってもちろんハルも新開発。
外観デザインが従来よりもスポーティでアグレッシブな印象に生まれ変わっているが、その走りはこれまでどおりキング・オブ・クルーザーの名にふさわしいものなのか。
それともこれまでとは異なる、スポーツ性の高い走りに仕あがっているのか。トップライダーの生駒淳さんにFX Cruiser SVHOに試乗してもらい、その走行性能について率直な感想を語ってもらった。
スポーツモデルにひけをとらない旋回性能
「新しいFXシリーズにはじめて乗ったひとは、“すごい曲がる”というのに一番衝撃を受けるんじゃないかな、と思いました。それぐらい旋回性能が高くなっています。ハンドルを切った瞬間にスパッと鋭角に入っていって、ノズルがものすごく切れているような感覚でグイっと曲がっていきます。今までFXシリーズに乗っていたひとも、きっと驚くと思いますよ」
どちらかというと安定性や快適性のイメージが強いMJ-FXシリーズだが、生駒さんが真っ先に口にしたのは旋回性だった。事実、新開発のハルはV角(デッドライズ角)が途中から鋭角になっており、さらに丸みのあるラウンドキールの採用により従来モデルよりも旋回性を高めている。つまりクルージングモデルというよりも、スポーツモデルのような走りの味付けになっている、ということだろうか?
「前のFXシリーズよりも旋回中にバンクしている感じがあるので、横Gによるライダーへの負担は軽減されていると思います。それとハンドルを切った瞬間は鋭角にスパッと曲がるんですけど、そのあとは少しリアが抜けていくんですよね。
ハルのV角が“途中から”鋭角になっているのが理由だと思うんですけど、これはFXシリーズらしさというか、クルージングモデルらしい味付けだと思います。V角が全部鋭角だとたしかにレールの上を走っているような旋回が可能になりますけど、その分ライダーへの負担も大きいですからね。ちょうどいい落としどころに持っていってる、という感じです」