不動のロングセラーがフルモデルチェンジ
カワサキ・ジェットスキーの歴史は、2020 年で47 年目 を迎えた。数多くの名機を世に送り 出し、その多くが長年愛され続ける ロングセラーとなっているが、STX の名を冠したモデルがはじめて誕生 したのは1997 年のこと。
今から 22 年前の1100 STX が初代で あり、つまりジェットスキーの歴史 のほぼ半分は、STX というモデル が存在している。それだけ歴史あるモデルなのだが、それではみなさん、STX というモデルにどのようなイメージを持っているだろう。
初代にあたる1100 STX のハルは「史上最高傑作の3 人乗りハル」 ともいわれたほどで、高いスポー ツ性を発揮。その後同型ハルに排 気量の小さいエンジンを搭載したモデルも登場したが、クリス・マック ルゲージが1100 STX でIJSBAナショナルチャンピオンを獲得したことで、その性能をレースで実証(1999 年のLimited モデルはマックのレプリカ艇)。
そして時代は移り変わっても、1200 STX-R やSTX-15F といった後継モデルがレースシーンを席巻し続けた。そうしたこともあり、特に当時を知るベテランライダーの多くはSTXに対して「スポーツモデル」といったイメージを持っているはずだ。 しかし近年ではジェットスキーのラインナップが様変わりしたことで、現行のSTX である15F は「エントリーモデル」の位置づけとなっていた。
そして発売から16 年目の2020 モデルで、待望のモデルチェンジ。さて、そこで気になるのは「スポーツ」なのか、「エントリー」なのか。新しいSTX は、どちらの方向に舵を切ったのだろう。その答えは、「継承と進化」というキーワードに隠されている。