生駒 淳の海外レース参戦記#01│JET SKI PRO TOUR 2019 ROUND 1
生駒 淳の海外レース参戦記#02│JET SKI PRO TOUR 2019 ROUND 2
生駒 淳の海外レース参戦記#03│JET SKI PRO TOUR 2019 ROUND 3
絶対に勝ってはいけない戦いが、そこにはある!
TACLOBAN INTERNATIONAL JET SKI RACE 2019 | |
PHILIPPINES TACLOBAN CITY フィリピン タクロバン |
2019年6月12日~14日 |
- TEXT:Jun Ikoma 生駒 淳
2019年6月11日(火)~12日(水)【出国~会場到着】
フィリピンタイムに翻弄され、半日を棒に振ることに
今回は、フィリピンでのタクロバン・インターナショナル・ジェットスキーレース2019に、自分とチームマネージャーの秋本さんで行ってきました。6月11日の18時に成田空港を出発して、フィリピンのマニラには22時ぐらいに到着。この日は、マニラで宿泊です。
翌朝は、フィリピンの親友BJがホテルまで迎えにきてくれるはずだったのに、いつまでたっても連絡なし……。チェックアウト時刻になったので、一度外にでることに。
近くのショッピングモールで時間をつぶしていると、ようやくBJから連絡が。14時過ぎに迎えに来るというので、近くの日本料理屋で食事をしていたら、知り合いの日本人にバッタリ合うというプチ奇跡が。世の中、狭いですね(笑)。そしてBJがやって来たのは、結局15時前。やっぱりフィリピンタイムです。これならもう1日遅く出発しても良かったかな……。
BJとメカニックの2人と合流して、マニラからタクロバンまで1時間半のフライトです。タクロバンの空港ではBJの友だちが迎えてくれ、レース会場まで連れて行ってくれました。
会場は飛行機からも見えた(というか真上を飛んだ)場所で、空港から15分ぐらいとかなり近場。無事にマシンも届いてたので、ひと安心です。BJの会社の従業員が40時間以上かけて運んでくれたみたい。申し訳ないというか、ありがたい限りです。夜はBJの会社の従業員10人と、みんなでシーフード料理を食べに行ってホテルに戻りました。
2019年6月13日(木)【レース前日】
フィリピンタイム、再び。
朝8時にホテルを出発予定だったのに、またまたフィリピンタイム。9時過ぎに集まりだして、ホテルを出たのは10時過ぎ。こんなにルーズでまともにレースができるのかな? って感じです(笑)。
レース会場に着いてからは、マシンのテスト。といっても、今回のマシンは2019年モデルのヤマハMJ-FXで、スーパーチャージャーもポンプもハンドル周りも、すべてノーマル。変更したのは、SEのスポンソンIKOMAモデルとインタークーラー、SOLASインペラ、エアクリーナー、グリップぐらいで、ECUはIKOMAオリジナル(自分で書き換えただけ)という仕様です。
2019年モデルのヤマハMJ-FXだったら、IKOMAスポンソンさえ付いていればノーマルでも勝てる自信はあったし、今回はメカニックがいないので、とにかく壊れないことが最優先。だからマシンのテストも、調子が悪くないことを確認したらあっさりと終わりです。
自分のプラランは午後なので、まだ時間はたっぷりあります。せっかくなので、レース会場を散歩してみました。
自分たちのテントの隣にいたのは、マニラの超お金持ちのポール。今回はKOMMANDERのレースボートを用意して、タイのプロアマスキーで昨年チャンピオンになったヌタコルンをライダーに呼び、2人でスペア艇も含めて3台と万全の体制。ポールと会ったのは何年振り? ってぐらい久しぶりだったけど、お互いフェイスブックでは良く見ているから、そんな感じもまったくなく「良く見てるよー」みたいな感じで挨拶。ヌタコルンはタイで同じチームなので、こちらはリアルに毎月会っています(笑)。
そして日本勢の東野さんと豊田さんにも久しぶりにお会いして、情報交換。といっても、自分は情報をもらうばかりですが(笑)。
そうこうしているうちに、午後のプラランがスタート。んー、波が凄くて、マシンの状態がまったく分かりません。エンジン回転数も跳ね過ぎてまったく分かりませんでしたけど、調子は悪くなさそうなので早々に切り上げました。
19時からエントリーが始まったのですが、出場予定だったプロアマ・ランナバウト・オープンは、なんとクラス自体が無くなったそうです。フィリピンでターボ艇を持っているのはBJとそのチーム員だけらしく、他のライダーからのクレームでクラスをなくされ、アマチュア・ランナバウトLTDだけになったとか。
ちなみにこのレースはシリーズ戦なんですけど、BJがシリーズチャンピオンになるためには、今回のレースで優勝することが絶対条件。さらに、ライバルが3位以下にならないといけない。つまり今回、BJが優勝してもライバルが2位だと、シリーズチャンピオンにはなれない……。ということで、BJを優勝させてライバルを3位にするために、日本から自分が呼ばれたのです。そう、今回は忖度レースなんです(笑)。
そのかわり、BJが出ないマスターとエンデュランスは、本気で走ってもいいと。2クラス優勝できれば、親友のためにひとつぐらいは忖度してもいいでしょう(笑)。
エントリー終了後は、そのまま食べ放題のウェルカムパーティとライダーズミーティングだったのですが、ここでタイのシリーズ戦でもスターターを務めるジャスティン・リーさんが、なんとレースの説明を始めました。それも、本当にレースが初めてのひとに向けた説明です。旗の色や意味から、周回の重ね方などなど。そりゃあそこから始めれば、2時間ぐらいかかりますよ(笑)。レース経験者からすれば、そんなこともわからないで走るの? みたいなレベル(笑)。安全のためだと自分は我慢して聞いていましたが、ほとんどのひとは寝ていましたね。いやいや、これを聞くべきなのは君たちだよ(笑)。
そんなこんなでライダーズミーティングが終わったのは22時過ぎで、すぐにホテルに帰って寝ました。